研究分担者 |
佐藤 光三 東京大学, 工学系研究科, 教授 (60322038)
六川 修一 東京大学, 工学系研究科, 教授 (50183710)
松岡 俊文 京都大学, 工学研究科, 教授 (10303851)
中尾 信典 (独)産業技術研究所, 主席研究員
渡辺 俊樹 名古屋大学, 環境学研究科, 助教授 (50210935)
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研究概要 |
CMGのSTARSを用いて、SAGD法生産予測への影響を分析した。文献調査より、以前にスチームシミュレーションで用いられた特徴的な3つの二相相対浸透率データを選んだ。本研究の結果、SAGD法生産予測には三相相対浸透率モデルの選択が重要であることが確認された。 最小ミシビリティー圧力を推定するスリムチューブテストを再現する多成分系流体モデルをまず構築した。このモデルを用いて硫化水素含有量の異なる圧入ガスによるスリムチューブテストのシミュレーションを行なったところ、硫化水素含有量の増加によるスリムチューブ内の置換効率の上昇を定量的に把握することができた。また、高圧条件と高濃度硫化水素条件によって、ミシビリティー形成過程に相違があることを見出した。 地表変形をモニタリングすることによって地中に注入したスチームの挙動を推定することにより、SAGD法の効果を判断できると考えられる。本研究では、蒸気を注入したときの熱膨張がいかほどに広がっているか、またどの程度膨張しているかを知ることを目的として、地表面変形モニタリングの基礎的な実験、シミュレーションを行った。 最適なフラクチャー平均間隔を調べるため,流量を周期的に制御して実施する圧力遷移試験の数値実験を実施し,観測井及び能動井での圧力遷移に対する注水周期や水理パラメータの検討を実施した。3次元ポーラス型貯留層モデル及びMINC型フラクチャー・モデルに対して流量周期をいくつか変えて圧力干渉信号を数値計算し,その時間遅れ(位相遅れ)から水理拡散係数を求めると,媒質がポーラス型かフラクチャー型かが推定できることが判明した。この手法を北海道森地熱地域のサイナソイダル流量坑井試験データ,秋田県上の岱地熱地域・澄川地熱地域における断続的な還元データに適用し,坑井間の媒質が水理的にフラクチャー型であることを求め,平均的なフラクチャー分布間隔を推定した。
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