研究課題/領域番号 |
13556004
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
根本 圭介 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (40211461)
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研究分担者 |
小鞠 敏彦 日本たばこ産業(株), 研究開発部長
鴨下 顕彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (10323487)
堤 伸浩 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00202185)
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キーワード | イネ / QTL / 発芽 |
研究概要 |
本研究は、イネの作物学的研究にゲノム情報を援用するモデル的な試みの1つとして、低温発芽機構の解明を取り上げる。解析に必要なQTL解析用のマッピング集団やアイソジェニックラインのスクリーニングのためのシステムを新たに構築しながら解析を進めるとともに、最終的には、それらのツールを誰もが利用できるシステムとして整備・公開し、作物学研究に供することを目指すものである。平成15年度の成果は以下のとおりである。低温発芽性のQTLを同定するためのマッピング集団の育成については、平成14年までにF5世代まで進めた亀の尾(ジャポニカ稲、低温下における発芽能力が極めて高い)×Dular(インディカ稲、低温下における発芽能力を欠く)のF2集団由来組み替え自殖系統を対象に、DNAを抽出し、遺伝子型分析および連鎖地図作製の作業を開始した。遺伝子型分析が可能となった。なお、亀の尾とDularの組合せで得られるであろうQTLの一般性をチェックするための補足的な解析材料として、熱研2号(ハイブリッドライス用のジャポニカ稲)と伽耶(韓国で育成された早生の多収インディカ稲)の組み替え近交系、およびアキヒカリ(多収ジャポニカ水稲)とIRAT190(アフリカで育成された改良型のジャワニカ陸稲)の組み替え近交系を、併せて育成した。このうちの、最後の集団については、平成15年度に遺伝子型分析と連鎖地図作製が完了したたため、早速、圃場条件下での発芽特性のQTL解析を行った。その結果、第2染色体長腕末端部に、畑条件下での発芽に大きな作用力をもつ遺伝子の存在が確認された。この遺伝子座ではIRAT109の対立遺伝子が発芽を向上させていたが、その直接の作用は根の伸長促進にあるものと考えられた。
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