研究課題/領域番号 |
13556006
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堀江 武 京都大学, 農学研究科, 教授 (90181528)
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研究分担者 |
中川 博視 石川県農業短期大学, 生物生産学科, 講師 (90207738)
白岩 立彦 京都大学, 農学研究科, 助教授 (30154363)
井上 吉雄 独立行政法人農業環境技術研究所, 地球環境部, 研究室長
松井 勤 京都大学, 農学研究科, 助手 (70238939)
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キーワード | 水稲 / リモートセンシング / 収量性 / 群落拡散抵抗 / 気孔コンダクタンス / 葉温 / 光合成 / 炭素同位体分別比 |
研究概要 |
本研究は、圃場において(1)水稲収量が決定されるプロセスとその支配形質を同定し、(2)その形質を圃場条件下でリモートセンシングにより、非破壊・非接触で計測する方法を開発し、(3)その方法の多収品種の育種におけるスクリーニングへの適用性を明らかにすることを目的としている。15年度は遺伝的背景が大きく異なる水稲10品種を対象にした圃場実験から次のことを明らかにした。 1、前年度までの研究で明らかになった、水稲収量性の遺伝的変異が、出穂前2週間の個体群生長速度(CGR)のそれに支配されることを、京都のみならず、環境が大きく異なるアジア各地での圃場試験により確認した。さらに、出穂前2週間のCGRが収量性を支配する機構を既往の研究のレビューに基づき明らかにした。 2、出穂前2週間のCGRの遺伝的変異の大部分が気孔コンダクタンスと葉身の窒素濃度の積によって説明できることを、過去3年の実験結果に基づいて明らかにした。 3、前年度までに開発したリモートセンシングによる日向・日陰部葉温同時測定法による群落拡散コンダクタンスの遺伝的変異は気孔コンダクタンス及び炭素同位体分別値のそれと密接な関係にあり、かつ個体群のCGRおよび収量の遺伝的変異のかなりの部分を説明しうることを明らかにした。これより、本研究により開発されたリモートセンシングにより群落拡散コンダクタンスの計測法は圃場条件下での水稲品種の生産機能評価と、それに基づく品種スクリーニングへの有効性が示された。
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