研究課題/領域番号 |
13556007
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
羽柴 輝良 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20189476)
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研究分担者 |
成澤 才彦 茨城県生物工学研究所, 主任(研究職)
佐藤 茂 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40108428)
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キーワード | 根内エンドファイト / Heteroconium chaetospira / ピートモス法 / ハクサイ根こぶ病 / 土壌pH / 土壌水分 / 病害抑制効果 |
研究概要 |
1)高い感染率で本エンドファイトがハクサイ根内に定着するためにはピートモス法が最適あった。 2)ピートモス法を用いて、ハクサイ根こぶ病抑制効果を、土壌pH、病原菌密度を変えて検討した。土壌pHが5.5〜7.2の土壌に、H.chaetospiraを接種すると、病原菌密度が1x10^5/g乾土と高密度になっても効果的に根こぶ病の発病が抑制された。また、土壌pH5.5と根こぶ病は発病しやすい条件下でもコントロール区と比較し、H.chaetospira接種区では効果的に根こぶ病の発病が抑制された。 3)ピートモス法を用いて、ハクサイ根こぶ病抑制効果を、土壌の種類、病原菌密度を変えて検討した。黒ぼく土で根こぶ病の発病は、病原菌接種密度が高密度になっても、コントロール区、H.chaetospira接種区ともに沖積土、黄色土と比較して低かった。沖積土では病原菌密度1x10^4、1x10^5/g乾土ともH.chaetospira接種区で、発病が効果的に抑制された。しかし、1x10^6/g乾土と病原菌密度が高密度になると、抑制効果は低下した。また、黄色土では、病原菌密度1x10^4/g乾土で、根こぶ病が抑制されたのに対し、1x10^5/g、1x10^6/g乾土では、抑制効果が認められなかった。 4)ピートモス法を用いて、ハクサイ根こぶ病抑制効果を、土壌水分、病原菌密度を変えて検討した。土壌中の水分量が、40〜60%の間では、H.chaetospira接種によってコントロール区と比較し、根こぶ病菌が1x10^5/g乾土と高密度でも根こぶ病を効果的に抑制した。しかし、土壌中の水分量が80%と高水分になると、H.chaetospiraを接種しても、抑制効果は低かった。 以上により、本根部エンドファイトHeteroconium chaetospiraを用いたハクサイ根こぶ病の生物防除は、糸状菌のハクサイ根への定着、土壌の種類、pH、土壌水分を考慮に入れて行うことにより、抑制効果が高まることが実証された。
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