研究概要 |
(1)エンドファイトが根部へ効率的に感染する接種法の開発のためにエンドファイトの感染に適した培土、養分条件、接種源等の検討を行った。培土にはピートモスが最適であり、これに液体培地(Glucose:1g, NaNO_3:1g, KH_2PO_4:1g, MgSO_4・7H_2O:0.2g, KCl:0.2g/1L)を添加し、分生子懸濁液を10^4個/gの濃度で混和、20℃で2週間育苗する方法で、最も高い感染率を得た。従来の接種法、ピートモスを圧縮、固化したペレット(商品名:Jiffy7)による感染率、27%に対し、75%と向上し、ハクサイの生育も良好であった。グルコースの添加はエンドファイトの生育、および感染を促進し、0.1%が最適であった。しかし、グルコース濃度0.5%以上では、根面および表皮細胞間への定着率は向上したが、その後の細胞内への感染は抑制され、感染率は低下した。 (2)ピートモス法を用いて、ハクサイ根こぶ病抑制効果を、土壌pH、病原菌密度を変えて検討した。土壌pHが5.5〜7.2の土壌にH. chaetospiraを接種すると、病原菌密度が1×10^5/g乾土と高密度になっても効果的に根こぶ病の発病が抑制された。ピートモス法を用いて、ハクサイ根こぶ病抑制効果を、土壌水分、病原菌密度を変えて検討した。土壌中の水分量が40〜60%の間ではH. chaetospira接種によってコントロール区と比較し、根こぶ病菌が1×10^5/g乾土と高密度でも根こぶ病菌を効果的に抑制した。しかし、土壌中の水分量が80%と高水分になるとH. chaetospiraを接種しても抑制効果は低かった。
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