研究課題/領域番号 |
13556026
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 浩雄 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (20038243)
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研究分担者 |
竹下 賢二 中越パルプ工業(株), 能町工場, 工場次長(研究職)
北岡 卓也 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (90304766)
割石 博之 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (50253513)
渡邉 康彦 栗田工業(株), 開発本部, 主席研究員
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キーワード | 製紙化学 / カチオン要求量 / 可視光ラベルポリマー / コロイド滴定 / ウェットエンド / 廃水処理 |
研究概要 |
可視光ラベル化カチオン性ポリマーを合成する序段としてジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)とビニルホルムアミド(VFA)の共重合を行った。Finemann-Ross法により重合反応性比を求めたところ、r_1(DADMAC)0.12,r_2(VFA)1.91の結果を得た。これはVFAの重合性がDADMACのそれより極端に高いので、ポリマー中の両モノマーの分布は著しく不均一であることを示している。例えば、VFA : DADMAC=1:9(モル比)の仕込みで重合させると、重合初期のポリマーはVFAを37%も含むが、重合の進行とともに減少し、50%を越えるとVFAはほとんど消費され、以後実質的にDADMACのみのポリマーとなる。両ポリマー分布が可及的に均一なポリマーを得るため、重合速度の低いDADMAC水溶液の反応の進行に合わせVFAを順次追加する方法を採用した。 ポリマー水溶液にVFA部の約3倍モルのNaOHを加え、60℃で加水分解し、アミド基を1級アミノ基に転換した。このアミノ基にダブシル基を導入して、可視光ラベルを行った。ポリマー(C-DADMAC)は中性では450nm付近に極大吸収を有するが、酸性にすると500nmに移動(赤色化)し、吸光度が約1.5倍に増加した。このポリマー水溶液の赤色は1/10^5Nの極低濃度で分光光度計では勿論肉眼でも判別できた。 C-DADMACを活用して、製紙工場の原料系と廃水系のカチオン要求量を求めた。本法は、従来法のコロイド滴定では測定不可能な高塩系(電気伝導度1000μS/cm以上)でも精度の高い分析値の得られることがわかった。
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