研究課題/領域番号 |
13556027
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉水 守 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (40122915)
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研究分担者 |
澤辺 智雄 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (30241376)
上西 敏夫 荏原製作所, 風水力事業本部, 参事
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キーワード | 電気分解 / 電解水 / 殺菌 / 衛生管理 / 漁港 / 漁船 / 産地市場 |
研究概要 |
漁獲から加工場に至る水産物のHACCP対応用海水殺菌装置の開発、最終年度の本年は漁港の細菌学的実態調査を行い、昨年までの成果を基にしたマニュアル作成を行った。得られた成果は以下のとおりである。 1.函館近郊、北海道東部根室海峡岸、同太平洋岸ならびに北部日本海岸に位置する漁港計19港を対象に、水質と一般生菌数、大腸菌群数および大腸菌数の測定を行った。調査した漁港の水質面では、際だった特徴はなかったものの、一般性菌数は季節変動として10^2〜10^5CFU/mlの範囲で測定された。大部分の漁港の港内海水の大腸菌群は3〜14,000以上、大腸菌はその1/10程度と測定された。 2.分離した大腸菌は海水中でも1週間近く生存可能であった。 3.昨年度までの成果および今年度の知見を総合すると以下のとおりである。 1).現在の漁港にはその構造上の問題から、多くの大腸菌群および大腸菌が存在し、港内海水をそのまま使用するには衛生上問題がある。 2).港内海水を使用するには海水を殺菌する必要があり、装置としては本研究で開発した電解装置が適している。 3).本装置は構造が簡単で、安価であり、小型で漁船にも搭載可能である。メンテナンスも容易で一定量の塩素濃度で自動運転が可能である。 4).電解海水は船体や甲板、活魚槽、市場の床等の洗浄に適している。産地市場でセリが終了し、食品としての取り扱いを受けた後は、食塩電解水を用いる必要がある。 5).電解海水の塩素濃度は0.5〜1.0mg/Lに、排水口で0.3mg/l程度に抑える必要がある。 6).漁船、漁港、市場、加工場における海水殺菌のマニュアルが出来上がった。
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