研究課題/領域番号 |
13556034
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
両角 和夫 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30312622)
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研究分担者 |
長谷部 正 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10125635)
工藤 昭彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00073966)
大鎌 邦雄 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40292255)
柘植 徳雄 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80281955)
大村 道明 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (70312626)
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キーワード | 農業集落 / エレクトリック・ファーマー / MINAS / プロブレム・シフティング |
研究概要 |
本研究は、農業集落の崩壊過程、つまり社会システムとしての集落の分解〜消滅のプロセスを明らかにし、農業集落の消滅を防止し、日本の食料自給率の低下を抑える可能性を持つ政策方針を打ち出すことを目的とする. 研究初年度である本年度は、日本国内における調査対象集落の発掘調査を行った.この調査からは、集落の基本単位を構成する要素は何かを改めて明らかにする必要性を認識した.従来、集落の基本単位構成要素は、相互扶助の有無や寄り合いの回数といった指標で測られることが多かったが、高度情報化や交通手段の発展により、こういった指標では表しきれない集落結合の紐帯を発見する必要があることが確認できた. これと平行して、統計データ解析を試みたが、センサスレベルで対象を絞り込み、集落カードで詳細に解析し、現地調査で情報補完を行うという基本方針を定めるに留まった. また、農業そのものの存在意義を問う上で、農業の持つ多面的機能とその発揮は重要な研究課題であった.とりわけ、エネルギー生産・廃棄物処理機能について、日本の農業集落には潜在的ポテンシャルが存在するとみなし、これを集落崩壊抑制の一助とする可能性について検討した.海外調査は、特にドイツ・オランダの農村において、農業がいかに環境と調和するか、技術論的・政策的観点から調査した.ドイツでは、バイオガス発電による、余剰農産物処分や家畜糞尿の液肥化と電力の販売により、農家がオルタナティブな収入源としてこれらを利用(エレクトリック・ファーマー)しており、日本の農業集落での実現可能性を検討する必要性を認識した.オランダでは、全国土(農地)を対象とするミネラル・アカウンティング・システム(MINAS)について調査し、政策実行に伴う行政・農家双方の負担増と、環境問題のプロブレム・シフティングの潜在的可能性を検討する必要性を認識した.
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