研究分担者 |
溝口 勝 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00181917)
竹下 祐二 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (90188178)
森井 俊広 新潟大学, 農学部, 助教授 (30231640)
小杉 賢一朗 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30263130)
西村 拓 東京農工大学, 農学研究科, 助教授 (40237730)
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研究概要 |
水分・溶質移動特性値(不飽和透水係数,土壌水分保持曲線,分散係数など)の原位置決定法に関し,種々の方法で実験した。研究成果は,(1)プロファイルプローブ水分計の正確な校正を行い砂地圃場で単位勾配法,さらに2連式テンシオメータを用いて内部排水法による物性値を求めた。(2)昨年度に方法を確立した定水位浸潤法を用いて,新潟砂丘畑の現場飽和透水係数を求めた。プロファイルプローブ水分計による水分プロファイルと数値シミュレーションによる土壌水分測定を比較し,実用的な測定方法を検討した。(3)負圧浸入法によって関東ローム畑で水分移動特性値の実験を行い,変水頭飽和透水試験,定常圧力制御法による不飽和透水係数と比較検討した。(4)現揚で水分を測定することは重要でECH20水分センサーなどの士壌水分計の校正とともに,携帯電話を利用した士壌情報モニタリングシステムを構築した。(5)未撹乱土壌に対して行うマルチステップ流出法は現場透水試験の比較データとして重要である。この方法の下端セラミック上に2つ目のマイクロテンシオメータを設置して,測定精度を向上させた実験方法を提案した。(6)森林土壌に対して,圧力水頭の鉛直プロファイルデータを用いて成層土壌の物性値を推定する手法を適用し,モデル中の屈折度に関するパラメータの推定値に及ぼす影響を詳細に検討した。(7)低水分領域の物性値を見出す方法は非常に困難である。非定常蒸発法,定常蒸発法による不飽和透水係数を測定する方法を開発し,その測定精度について評価した。(8)溶質移動特性値については,4極法を用いて鳥取砂丘砂の分散係数を測定し,体積含水率が0.15以上の高い水分量では間隙内の速い流れとともに溶質の速やかな混合が進行すること,一方,体積含水率が0.15以下の低い水分量では粒子に沿ったゆっくりとした流れと分子拡散による混合が進行することを明らかにした。
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