研究課題/領域番号 |
13556043
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
秋葉 征夫 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30005631)
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研究分担者 |
堀河 博 伊藤忠飼料株式会社, 総合技術研究部, 研究所長
高橋 和昭 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80183440)
佐藤 幹 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (20250730)
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キーワード | 脂肪蓄積 / 脂肪細胞 / 鶏 / 分化誘導因子 / 分化マーカー / 抗肥満ワクチン |
研究概要 |
脂肪蓄積調節遺伝子をマーカーとして、脂肪細胞の増殖を抑制する作用を持つ機能性栄養素・抗体をスクリーニングし、鶏脂肪蓄積抑制因子を同定して、家畜用抗肥満ワクチンと安全な低脂肪食肉生産システムの開発を目指した応用研究を行なう。本年度は、前年度においてin vitro条件下で選出した分化誘導因子を、鶏にin vivo投与して、鶏の脂肪蓄積抑制が可能かを推察した。 (1)鶏前駆脂肪細胞の増殖抑制因子の同定 前年度に選出したオレイン酸、Insulin(Ins)、Dexamethason(DX)および3-isobutyl-1-methylxanthine(IMX)以外の鶏前駆脂肪細胞増殖抑制因子をスクリーニングした。脂肪酸としてパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、CLAを供試したところ、若干、リノール酸、アラキドン酸で増殖が抑制される傾向が認められたものの、大きな差異は認められなかった。 (2)鶏前駆脂肪細胞増殖抑制因子(分化誘導因子)のin vivo投与 孵化直後のヒナ(Ross)にオレイン酸、Ins、DX、IMXを腹腔内に投与すると、脂肪蓄積が減少する傾向が認められた。しかし、体重も減少することから、各種因子を様々な濃度で投与して検討したところ、各因子それぞれ10μg/birdの混合物で体重の減少は認められないことが明らかとなった。そこで、次の試験で適切な投与形態を検討した。 (3)脂肪過剰蓄積抑制因子の投与形態の検討 初生ヒナ(Ross)の腹腔内に上記因子の混合物をトリオレインでミセル化して投与した。その結果、4週齢時の体重に有意な差異は認められないものの、腹腔内脂肪重量を約2/3に低下させることができた。すなわち、実用化が可能な投与形態が確立できたものと推測された。一方、Cobb種ヒナに投与しても、その腹腔内脂肪に変動は認めらず、様々な因子を検討したが、同様な結果を得た。すなわち、現時点ではRoss種のみの脂肪蓄積を制御できるワクチンの開発が可能であることが推察された。
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