研究分担者 |
玄 学南 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (10292096)
田仲 哲也 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00322842)
横山 直明 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 講師 (80301802)
長澤 秀行 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60172524)
藤崎 幸蔵 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (00292095)
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研究概要 |
本研究計画第2年度はトリパノソーマ病特異的診断法開発に有用であるトリパノソーマ特異的遺伝子を組換えトリパノソーマ抗原として大腸菌を用いて発現し,その抗原性について血清診断に応用可能か否か検討した。さらに、LAMP法を用いたトリパノソーマ特異的遺伝子検出法についても検討した。 1.組換えトリパノソーマ抗原の作製・精製 クローニングしたトリパノソーマ特異抗原遺伝子の内、POおよびミトコンドリアHSP70の大腸菌発現プラスミドベクターを構築した。POおよびHSP70両方で,pRSETvector(インビトロジェン社)を用いて予想通りの分子量および抗原性を有する組換えタンパク質を作製・精製できた。 2.作製した組換えタンパク質の抗原性に関する検討 精製組換え抗原を用いた抗体検出ELISAを構築し,トリパノソーマ実験感染マウスより採取した経過血清を用いて,組換えPOおよびHSP70の抗原性を評価した。その結果,両組換え抗原共に、感染後、7日目前後から抗体が検出できた。POおよびHSP70はそれぞれ細胞質内およびミトコンドリア内に存在する蛋白質であり、トリパノソーマ細胞表面に発現するVSGのような抗原変異はおこさない。従って今回作製した組換えPOおよびHSP70を用いることによって正確かつ安定的に抗トリパノソーマ抗体を検出可能である。 3.LAMP法によるトリパノソーマ遺伝子検出 LAMP法は等温反応で高感度に遺伝子増幅を行なう方法である。従って十分な設備が利用できない臨床の現場における利用価値が高い。今回我々はトリパノソーマPFRA遺伝子をLAMP法によって増幅することに成功した。 4.今回得られた成果は現在学術雑誌に投稿中である。
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