研究課題/領域番号 |
13556058
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂 志朗 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (50205697)
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研究分担者 |
中薗 豊 株式会社ロンフォード, 研究開発部, 常務取締役
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キーワード | 超臨界メタノール / 植物油 / バイオディーゼル燃料 / トリグリセライド / 遊離脂肪酸 / 脂肪酸メチルエステル / エステル交換反応 / エステル化反応 |
研究概要 |
バイオディーゼル燃料とは、油脂の主成分であるトリグリセライドのエステル交換反応により得られる軽油代替バイオ燃料である。植物油や廃植物油はバイオディーゼル燃料の原料となるが、トリグリセライドの他、水や遊離脂肪酸をさまざまな割合で含んでいる。特に廃植物油では水や遊離脂肪酸の含有量が増加する。現在、バイオディーゼル燃料はアルカリ触媒法で製造されているが、この方法では遊離脂肪酸から生成したアルカリセッケンや触媒の除去が必要であり、環境への負荷は避けられない。同時に脂肪酸メチルエステルの収率も低下する。また、原料に水が含まれると触媒の働きを低下させるという問題もある。従って、廃植物油の有効利用の観点からもアルカリ触媒法には様々な問題が残つている。これらの問題を解決するため、本研究では無触媒での超臨界メタノール処理によるバイオディーゼル燃料の創製を検討してきた。 本年度には、超臨界メタノール法において、原料中の水や遊離脂肪酸がメチルエステルの収率に与える影響を検討した。その結果、超臨界メタノール法では原料中に水が含まれていてもメチルエステルの収率には影響を与えないことが明らかとなり、本手法は水に耐性があることが示された。さらに原料に水が含まれることで、トリグリセライドからのメチルエステルへの変換がより促進されることを見出した。これらの結果から、超臨界メタノール法は植物油のみならず、廃植物油など多くの油脂類の有効利用にも効果的な手法であることが示された。
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