研究課題/領域番号 |
13557003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山科 正平 北里大学, 医学部, 教授 (90013987)
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研究分担者 |
林 京子 北里大学, 医学部, 助手 (30240211)
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 講師 (10185887)
玉木 英明 北里大学, 医学部, 講師 (30155246)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 糖尿病 / 膵臓 / 膵島 / 導管 / 移植 / 幹細胞 / 再生医療 |
研究概要 |
膵臓の導管細胞を異所性に移植し、それより膵島組織を再生させるためのモデルシステムの開発を目的として研究を行った。 (1)精製導管上皮細泡から内分泌細胞を増殖させるシステム 摘出した膵臓の組織片から、導管細胞を効率よく精製する技術の開発を行った。得られた導管細胞を同種ラット腎皮膜下に移植したが生着率が20%程度であったので、種を変えてヌードマウス腎皮膜下に移植した。それにより2-4週までの間に約80%で腺管構造或いは細胞小集塊が発達したが、それをさらに長期に維持しても発達は軽微のままであった。そのため膵臓増殖に関連する薬剤の効果を調査した。90%膵切除後の再生膵には、CCKが有効に作用することが判明したが、移植膵の増殖に有意な差を認めるまでには至っていない。 (2)移植組織における内分泌細胞の分化動態の解析 ヌードマウスに生着した微小な再生組織について内分泌細胞の分化動態と遺伝子による調節機構を明らかにする研究が企画された。形態的には、腺管構造を呈していることは確かで、中に分泌顆粒上を持つものも散見された。しかし、連続切片による免疫組織化学反応を充分にこなすには、形成された組織塊の発達が不良で、必ずしも再現性の高い情報を得るには至っていない。平行した研究により、再生膵での幹細胞は導管の最末端にある腺房中心細胞であると推定された。 (3)自然発症糖尿病ラットへの移植の効果 この技術を自然発症糖尿病モデル動物に当てはめ、内分泌細胞の再生及び糖尿病の改善状況の調査が企画された。しかし、この場合も再生組織の発達が軽微なため、再現性の高い議論は困難であった。 (4)本システムの臨床応用と新規抗糖尿病薬剤開発のスクリーニングへの応用 製薬企業等でゲノム創薬が開始されているが、こうしたアイデアで開発中の抗糖尿病薬剤のうち、本システムの活用により効果検定のスクリーニングに供されうるものに関する情報を集め、実用化に向けた検討が現在も引き続き継続中である。
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