研究分担者 |
渡辺 美智子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10158660)
須田 憲男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80201581)
田中 悦子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70256410)
井上 敏 チッソ(株), 横浜研究所, 次席研究員
草刈 洋一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80338889)
|
研究概要 |
組換えイクオリンに関して以下の実験を行った。 (1)組換えイクオリンおよび半合成イクオリン: 天然型組換えイクオリンの大量調製法を確立した。その結果から、半合成イクオリンは、天然型イクオリンより、発光後、セレンテラジンの誘導体(h, n, br, I, cp, e-タイプのセレンテラジン)を再生することによって、効率良く半合成イクオリンを調製することが可能となった。天然型組換えイクオリンの蛋白当たりの全発光量は、天然イクオリンと同一であった(=量子収率は同じ)。上記、半合成のイクオリンの結晶構造を決定したが、その構造はほぼ同一であった。 (2)変異型組換えイクオリンは、部位特異的変異法を用いてアミノ酸を改変することにより調製した。しかし、多くの変異イクオリンは安定に存在することが出来ず、最終的にY132F(Tyrosine132をphenylalaineへ)及びH58F(Histidine58をphenylalanineへ)の変異導入イクオリンの精製に成功した。全発光量は、ほぼ天然型組換えイクオリンと同じであるが、発光強度と発光の半減期は著しく異なっており、Caイオンに対する結合能に違いが有ると推定された。 (3)天然型組換えイクオリンのCa濃度一発光関係を定量的に調べた。溶液はCaを単純希釈したものと、EGTAを用いてCa濃度を調整したものとを用意し、キュベットに1mlとり、その中にイクオリンを瞬時に混合してその時の発光を記録した。組換えイクオリンは天然イクオリンに比較して、pCa4.5から6.5で発光強度比が僅かに左方に、また、pCa7以下では発光強度が低かった。Mgイオン濃度の影響を組換えイクオリンで調べたところ、1mMMgによって発光は抑制された。3mMMgは発光をより抑制したが、Ca非依存性発光に対しては大きな効果は観察されなかった。また、発光の温度依存性は天然イクオリンと大差がなかった。これらの結果から、組換えイクオリンを細胞に適用できる可能性が出てきた。
|