研究課題/領域番号 |
13557004
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
栗原 敏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90057026)
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研究分担者 |
草刈 洋一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80338889)
渡辺 美智子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10158660)
須田 憲男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80201581)
井上 敏 チッソ(株), 横浜研究所, 次席研究員
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キーワード | 組み換えイクオリン / 天然型イクオリン / Ca^<2+> / Mg^<2+> / 温度依存性 / 変異型組み換えイクオリン / 発光 / pH |
研究概要 |
組換えイクオリンを150mMKCl、1mM MgCl_2、pH7.0の溶液に溶解した。150mM KCl、1mM MgCl_2、pH7.0の溶液を作成した後、Ca^<2+>を除去するためにchelexカラムを通して発光テスト用溶液を用意した。この溶液を希釈法により20mMから0.1μMまでのCa^<2+>溶液を作った。低濃度Ca^<2+>溶液はCa^<2+>-EGTA緩衝液を使って作成し実験に用いた。キュベット内に作った溶液を1ml採り、これを発光検出器内に入れ、遮光下で0.5μlのイクオリンを瞬時に反応させた。各Ca^<2+>濃度溶液における発光強度を最大発光強度で正規化した強度比の対数値と、Ca^<2+>濃度の対数値との関係を求め較正曲線を得た。高濃度Ca^<2+>溶液中(pCa2)における発光の時間経過を測定した。組換えイクオリンのCa^<2+>濃度-発光関係は天然型とほぼ同様な関係を示したが、pCa5からpCa6の範囲でCa^<2+>に対して感受性が高かった。また、Ca^<2+>-independent lightが天然型よりも低かった。Mg^<2+>は組換えイクオリンの発光を抑制し、天然型イクオリンと同様であった。pHは発光に影響しなかった。 得られた組換えイクオリンをマウスの左心室乳頭筋表層細胞内に圧注入して、単収縮時のCa^<2+>信号と張力とを同時測定した。Ca^<2+>信号を細胞内Ca^<2+>濃度に変換して、Ca^<2+>transientのピーク値、ピーク到達時間、減衰の時定数などを測定した。組換えイクオリンで得られたCa^<2+>transient(CaT)のピーク値は約3.5μMで天然型イクオリンで得られている値よりも高かった。また、組換えイクオリンで測定されたCaTの時間経過の方が末尾がやや速かった。今回作製したイクオリンが十分に細胞内CaTの測定に応用できることを示唆しており実用可能となった。
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