研究課題/領域番号 |
13557008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
前山 一隆 愛媛大学, 医学部, 教授 (00157158)
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研究分担者 |
小笠原 正人 愛媛大学, 医学部, 講師 (00325367)
丹羽 修 日本電信電話株式会社, 生活環境研究所・環境情報研究部, 主幹研究員
谷澤 克行 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20133134)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | ヒスタミン / ヒスタミンオキシダーゼ / マイクロセンサ / ラット好塩基球性白血病細胞(RBL-2H3) / 電気化学検出法 / リアルタイムモニタリング / オスミウムゲル / マスト細胞 |
研究概要 |
生理活性アミンの一つであるヒスタミンは、アレルギー性疾患、胃酸分泌、神経伝達に関与しており、その遊離機構の検討はヒスタミンの生理的かつ病態における役割を解明する上で重要である。遊離ヒスタミンをリアルタイムで検出する目的でArthrobacter globiformis由来の遺伝子組換えヒスタミンオキシダーゼ(HAO)と電気化学検出法を組み合わせたヒスタミンマイクロセンサを開発した。測定原理は、HAOによってヒスタミンが酸化された結果生じる過酸化水素を西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)/オスミウムポリマーを介して還元電流として検出することである。 【方法】HAOのcDNAを大腸菌に導入してHAOを過剰発現させた。1枚のガラス基板上に3つの薄膜炭素電極を作製し、作用電極上にHRPを含むオスミウムポリマーを固定し、その上流にHAOを固定した。流路の両端にヒューズドシリカキャピラリを固定し、シリンジポンプ(流速2μl/min)にてサンプル溶液を吸引し、-50mVの電位を印加して、還元電流をポテンシオスタットで検出した。 【結果と考察】 (1)HAOを24.7倍まで精製し、比活性6.56μmol/min/mg prtの最終標品を得た。マイクロセンサによるヒスタミンの検出限界は、11.3nMであった。HAOはジアミン、ポリアミン、N^τ-メチルヒスタミン、ヒスチジンに対してほとんと触媒作用を示さなかった。一方、カテコラミンやセロトニンに対してはヒスタミンと同程度またはそれ以上の活性を示した。今後、基質チャネルの部位特異的変異の導入によりHAOの基質特異性を向上を計る。 (2)本法を用いて、マスト細胞腫瘍株であるラット好塩基球性白血病(RBL-2H3)細胞から遊離されるヒスタミンをリアルタイムで測定した。本細胞を抗原(DNP-BSA)20ng/mlで刺激した時、最大の遊離反応を示し、遊離ヒスタミン濃度は2.7μMであった。
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