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2002 年度 実績報告書

クロマチン変換による遺伝子転写の標的型操作技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13557015
研究機関熊本大学

研究代表者

中尾 光善  熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (00217663)

キーワードエピジェネティクス / DNAメチル化 / クロマチン / メチル化DNA結合タンパク質 / 遺伝子転写 / 遺伝子治療
研究概要

ヒトの疾患において、病因遺伝子の異常な活性化または不活性化が病態に直接関わる例が多数知られている。また、遺伝子治療ベクターなどが宿主細胞内でしばしばメチル化を受けて不活性化される。細胞内の遺伝子発現を選択的に人為的に操作できる技術として、クロマチン変換による新しい標的型遺伝子操作技術の開発を推進した。具体的には、[1]メチル化DNA結合タンパク質の転写抑制ドメインを用いた転写抑制技術、[2]DNAメチル化酵素の活性領域を用いた恒久的な転写抑制技術、[3]転写活性化ドメインを用いた遺伝子の活性化技術に取り組んだ。[1]発がんを促進する転写因子E2F1のDNA結合ドメインとMBD1およびMeCP2の転写抑制ドメインを連結したキメラ蛋白質を細胞内で発現させて、E2F1の標的遺伝子であるサイクリンDのプロモーター活性を低下することができた。[2]転写因子のDNA結合ドメインとDNAメチル化酵素活性領域を連結させた標的型メチル化酵素の開発に取り組んでいる。メチル化酵素が作用するCpG配列との位置的な関係、標的遺伝子が新規にメチル化されるか否か、メチル化が獲得された場合に体細胞分裂で安定に維持されるかについて検討中である。がん細胞の増殖を阻止を目標にしており、プラスミドおよびウイルスベクターを用いた幅広い転写操作技術としての応用を目指している。[3]転写活性化ドメインを用いた遺伝子の活性化技術についても、プロモーター再活性化技術に取り組んでいる。また、メチル化DNA結合タンパク質MBD1の転写抑制機構として、1)新規のポジティブメディエーターMCAFを阻害することで転写開始を直接抑制すること、2)ヒストンのメチル化酵素・脱アセチル化酵素との協働で転写抑制すること、3)塩基除去修復酵素と相互作用することでゲノム安定性に関わることを見出した。p16などの癌抑制遺伝子のプロモーター領域のメチル化による不活性化、ゲノムのDNA損傷に対する修復に関連することが新たに判明した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Fujita, N.: "MCAF mediates MBD1-dependent transcriptional repression"Mol.Cell.Biol.. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Matsuzaki, K.: "PML-nuclear bodies are involved in cellular serum response"Genes Cells. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Tojo, M.: "The aryl hydrocarbon receptor nuclear transporter is modulated by the SUMO-1 conjugating system"J.Biol.Chem.. 277. 46576-46585 (2002)

  • [文献書誌] Honda, Y.: "Cooperation of HECT-domain ubiquitin ligase hHYD and DNA topoisomerase II-binding protein for DNA damage response"J.Biol.Chem.. 277. 3599-3605 (2002)

  • [文献書誌] Kagotani, K.: "Visualization of transcription-dependent association of imprinted genes with the nuclear matrix"Exp.Cell Res.. 274. 189-196 (2002)

  • [文献書誌] Kudo, S.: "Functional characterization of MeCP2 mutations found in male patients with X-linked mental retardation"J.Med.Genet.. 39. 132-136 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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