研究課題/領域番号 |
13557019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
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研究分担者 |
山下 順範 協和発酵工業株式会社, 東京研究所, 主任研究員
中山 啓子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60294972)
畠山 鎮次 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (70294973)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | Myc / ユビキチン化 / キメラタンパク / Max / Nedd-4 |
研究概要 |
この研究課題では、ユビキチンリガーゼを人工的に改変することによって、新しい基質特異性を有するユビキチンリガーゼを創出し、生体にとって有害な分子を除去するシステムを構築することを目的としている。本研究では特にモデルとして癌遺伝子産物のMycを対象にしている。Mycには特異的に結合する分子Maxがあるので、このMaxとユビキチンリガーゼとのキメラ分子を作製し、Mycがこのキメラ分子によってユビキチン化を受け、プロテアソームによって分解される系を構築することを目指した。 われわれはまずHECT型ユビキチンリガーゼであるNedd4、F-boxタンパク質β-TrCP1、Uボックス型ユビキチンリガーゼであるCHIPを用いて、Max/Nedd4、Max/β-TrCP1、Max/CHIPの3種類のキメラタンパクを作製し、その効果を検討した。 これらのキメラタンパクは、in vitroでMycとの結合を確認した後、哺乳動物細胞への発現ベクターを用いて、過剰発現細胞を作製し、そのような細胞におけるMycの存在量や半減期を測定し、キメラタンパクの効果判定を行った。その結果、Max/CHIPが最も効率的にMycの生物学的効果を抑制できることがわかった。 また、プラークアッセイやコロニーアッセイを使用し、Max/CHIPキメラ型ユビキチンリガーゼが存在した場合にMycが過剰発現させても、細胞の癌化能の低下が認められるかを検討した。少なくとも軟寒天培養実験では、Max/CHIPキメラ型ユビキチンリガーゼを存在させると、Myc誘導性の増殖が明らかに阻害された。さらに、Max/CHIPキメラ型ユビキチンリガーゼを発現させた場合、癌細胞が個体レベルでの造腫瘍性を検討するために、ヌードマウスへの移植実験を現在行っている。
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