研究概要 |
リーシュマニア原虫は媒介昆虫であるサシチョウバエの中腸内ではプロマスティゴートとして発育するのに対し、宿主動物に感染した際にはアマスティゴートとして宿主のマクロファージ内で増殖する。本研究ではL. majorのアマスティゴート抗原で免疫したマウスの脾臓細胞とミエローマ細胞P3-X63-Ag8細胞を融合することにより、L. majorのアマスティゴートおよびプロマスティゴート両者に反応するモノクローナル抗体(mAb)を作製した。得られたモノクローナル抗体のうちB8D(lgG1κ)およびC11C(lgG1κ)はELISAによりアマスティゴートおよびプロマスティゴート両抗原に強く反応することが示されたため、さらに詳細な解析を行った。ウエスタンブロットによる解析の結果、B8DおよびC11Cはアマスティゴート抗原のうち21kDaの抗原を認識した。B8Dはプロマスティゴート抗原のうち17,23,24kDaの抗原を認識し、C11Cは23,24kDaの抗原を認識した。IFAの結果、B8DおよびC11Cはアマスティゴートの細胞膜に局在する抗原を認識するのに対して、プロマスティゴートにおいては細胞質に局在する抗原を認識した。現在これら抗原の局在および一部アミノ酸配列につき解析を行っている。
|