研究課題/領域番号 |
13557041
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
尾崎 承一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00231233)
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研究分担者 |
杉野 弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50211305)
小川 佳宏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (70291424)
田中 真生 京都大学, 医学研究科, 助手 (10332719)
大本 安一 大塚製薬, 医薬第一研究所, 主任研究員
吉崎 和幸 大阪大学, 健康体育部, 教授 (90144485)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / ホリスタチン関連蛋白 / FRP / gp130-RAPS / コラーゲン誘導関節炎 / DBA / 1マウス / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス |
研究概要 |
申請者は関節リウマチ(RA)患者滑膜cDNAライブラリーから、新たな自己抗原としてホリスタチン関連蛋白(FRP)、新規可溶型gp130-RAPS、および、新規な遺伝子をクローニングした。本研究ではRA関節炎におけるこれらの新規自己抗原の作用を明らかにするため、マウス実験的関節炎に対するFRPの投与効果の検証、および、ヒトRA類似の関節炎であるコラーゲン誘導関節炎の好発系DBA/1マウスからこれらの蛋白質の遺伝子改変マウスを作成することを目的として、以下の点を明らかにした。 (1)in vivoの系でのFRPの機能を解析するために、II型コラーゲンに対するモノクローナル抗体カクテルによるマウス関節炎モデルに対してFRPを投与した結果、関節炎の発症・病態の抑制が観察された。FRP投与マウスの関節局所ではc-fos,ets-2,IL-6,MMP-3,MMP-9の発現低下が認められ、これが関節炎抑制に関与していることが推定された(Kawabata et al.:Arthritis Rheum 50:660,2004)。(2)もう一つの新規遺伝子の全長cDNAのクローニングに成功した。この遺伝子はRBP1と37%のホモロジーを有する新規な蛋白質をコードしており、DNA結合蛋白に特有の構造を有していた。ノーザンブロット法による遺伝子発現解析から、滑膜のみならず各種臓器での発現が認められた。大腸菌に発現させたN末蛋白断片を抗原としたイムノブロットにより、RA患者血清中の24%に反応抗体を検出した。(3)FRPトランスジェニックマウスを作製するため、マウスFRP(mFRP)のトランスジーン(Col2a1-mFRPおよびCol2a1-FLAG-mFRP)を完成させた。これらのトランスジーンがII型コラーゲンプロモーターで発現が制御されることを確認したのち、Col2a1-FLAG-mFRPを制限酵素で切り出し直鎖状DNA断片を調整した。DBA/1マウスの前核期卵にトランスジーンを注入し、トランスジーン陽性のF0を野生型DBA/1と交配しF1をつくった。トランスジーン陽性のF0、F1のいずれも、野生型と比較してphenotypeに特に変化は認められなかったが、これらは実験的誘導関節炎の解析対象として有力なツールと考えられた。
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