研究概要 |
平成13年度に構築したlight cyclerによる定量系を用いて、平成14年度には、YMDD変異株出現例と非出現例で、lamivudine投与早期におけるウイルス動態について検討を行い、YMDD変異株出現の指標を推定し報告した。平成14年度には、peptide nucleic acid(PNA)を用いて超高感度にYMDD変異株を検出する系を構築し、検出感度を従来法の10^4倍まで上昇させることを可能にした。この系を用いることで、耐性株出現のより早期発見早が可能となり、lamivudine非投与例のHBe抗体陽性B型肝疾患62例中1例(1.6%)で、YMDD変異株(YVDD)が存在することを確認した。またさらなる解析により、未報告の種々のYMDD変異株を同定し報告した。H15年度にはHBe抗原陽性B型肝疾患症例でも同様の検討を行い、未報告のYMDD変異株を同定し報告した。また、lamivudine耐性のYMDD変異株が出現した症例で、pre-Core, core promoter領域の変異、YIDD, YVDD、L528M変異をはじめとするpolymerase領域の変異と病態の関連について検討を開始した。 H14年度には、YMDD野生株と変異株の1.4×HBV DNAのコンストラクトを作成し、培養細胞にtransfectionし、ウイルスの放出、蛋白発現を確認した。H15年度には、1.4×HBV DNAのコンストラクトをHepG2細胞にstable transfectionしHBVを持続高発現する細胞を得た。また、H14年度には、HBV感染細胞系にlamivudineを投与し、YMDD野生株と変異株の薬剤感受性の比較検討を開始し、H15年度には、lamivudine、adefovirなど種々の薬剤の有効濃度をYMDD野生株、変異株別に検討し報告した。また、YMDD野生株と変異株の1.4×HBV DNAコンストラクトをtransfectionし、PNAを用いて、複製されてくるHBVのquasispeciesについて検討し報告した。
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