研究課題/領域番号 |
13557053
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
曽根 三郎 徳島大学, 医学部, 教授 (40145024)
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研究分担者 |
矢野 聖二 徳島大学, 医学部附属病院, 講師 (30294672)
西岡 安彦 徳島大学, 医学部, 講師 (70274199)
谷 憲治 徳島大学, 医学部, 助教授 (70207166)
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キーワード | 多剤耐性 / P糖蛋白質 / MRK16 / single chain antibody fragment |
研究概要 |
平成14年度は、昨年度に作製した抗P糖蛋白抗体MRK16のsingle chain-antibody fragment (scFvMRK16)の発現プラスミドを用い、scFvMRK16の精製と、P糖蛋白質を発現する多剤耐性癌細胞への結合能について検討した。 scFvMRK16発現プラスミドを大腸菌にトランスフォーム後、single chain Fv蛋白を精製した(純度>90%)。scFvMRK16のP糖蛋白結合能を検討するため、P糖蛋白陽性の多剤耐性肺小細胞癌株SBC-3/DOXを用いてフローサイトメトリーを施行した。scFvMRK16はSBC-3/DOXに結合するが、P糖蛋白質陰性の親株SBC-3には結合活性を示さなかったことより、P糖蛋白質特異的に結合していることが確認された。P糖蛋白質に対する結合活性は、MRK16抗体と比較して200〜300倍低値であった。また、scFvMRK16の結合活性は、MRK16の添加で阻害されることから、MRK16抗体と同じエピトープを認識していることが推測された。一方、MRK16抗体は、P糖蛋白質陽性の耐性癌細胞に対して濃度依存的に増殖抑制効果を認めたが、scFvMRK16には増殖抑制効果は認められなかった。 以上から、scFvMRK16は多剤耐性癌細胞に発現するP糖蛋白質をターゲットに、in vivoでのデリバリーシステムとして応用可能と思われた。
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