研究課題
基盤研究(B)
本研究は切除不能限局型進行非小細胞における新規治療法の有効性を検討する無作為化比較試験で、新規治療法としてはイリノテカン+カルボプラチン(IC)あるいはタキソール+カルボプラチン(TC)を週1回と胸部放射線(TRT)1日1回2Gy、週5日間を6週間併用する2群とし、対照群はマイトマイシン+ビンデジン+シスプラチン(MVP)の4週毎2サイクル投与とTRT1日1回2Gy、3週を1、2サイクル目に併用する群を比較するものである。いずれの群も放射線化学療法終了後にIC、TC、MVPの2剤ないし3剤併用の通常投与量を2サイクル追加することとした。対象は未治療の切除不能IIIA/B期非小細胞肺癌で、75歳以下、PS 0、1、測定可能病変を有し、骨髄機能および主要臓器機能が保持され、文書でインフォームド・コンセントの得られた症例である。プライマリー・エンドポイントは5年生存率で10%の向上を期待し、目標症例数は450症例とした。2001年9月より試験を開始し、2004年12月末時点で378例が登録された。378例の内訳はMVP群127例(男例、女例、IIIA期例、IIIB期例、年齢31〜74歳)IC群126例(男例、女例、IIIA期例、IIIB期例、年齢30〜75歳)、TC群125例(男例、女例、IIIA期例、IIIB期例、年齢38〜74歳)で3群間の背景因子はバランス良く配分されている。これまでに治療関連死は例(MVP群0、IC群3例、TC群2例)報告されているが、3群とも耐用可能な治療法として試験は継続している。300例の中間解析を実施しているところであるが、450例まで試験は継続する。本試験の結果は、切除不能III期非小細胞肺癌の治療法として、4週1回のFull Doseの化学療法とTRTの併用がよいのか、週1回Low Doseの化学療法とTRTの併用がよいのかが明らかにされ、現時点における標準的治療が明らかにされるものと思われる。
すべて 2004
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