研究概要 |
代表的な神経難病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療法の開発のため,超大量メチルコバラミンの臨床効果をALSの動物モデルならびに患者において検討する.本年度は,患者への投与は,徳島大学倫理委員会の承認を正式に得ることができた.また,軸策機能を調べるため東北大学神経内科と共同でヒト変異型トランスジェニックラットを作成中で,このモデルを用いて運動ニューロン変性の機序と本剤がその過程に与える影響を調べる準備を行った. 動物実験に関しては,ALSのモデル動物であるヒト変異型SOD1トランネジェニックマウス30匹を準備した.大量メチルコバラミン(3mg/kg/日×30日筋注)が筋力低下や生命予後に与える影響を調べる.対照として低容量群(0.1mg/kg/日)と生理投与群を用いる予定である. 臨床試験として充分なインフォームドコンセントを得て,ALS患者10名において大量(50mg/日×14日)を投与し,筋力・電気生理学的指標(M波総振幅)を用いて検討中である.現在までのところ副作用はなく,安全性は高いと考えられた.
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