研究課題/領域番号 |
13557057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
畠山 鎮次 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (70294973)
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研究分担者 |
山下 順範 協和発酵工業株式会社, 東京研究所, 主任研究員(研究職)
中山 啓子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60294972)
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | ユビキチン / ユビキチンリガーゼ / 神経変性疾患 / MJD / 品質管理 / U-ボックスタンパク質 / UFD2 / VCP |
研究概要 |
細胞内タンパク質分解は、細胞周期や転写調節やシグナル伝達などの生物学上重要な現象の調節に関与している。ユビキチン介在性蛋白分解は、ユビキチン活性化酵素(E1)、ユビキチン結合酵素(E2)、ユビキチンリガーゼ(E3)の酵素カスケードによりユビキチンの基質へのイソペプチド結合と、その後のプロテアソームによる分解によって構成される。E3に基質特異性が担われていると想像され、現在まで、HECT型E3とリングフィンガー型E3の2種類のE3群が発見されている。 最初、U-ボックスタンパク質は4つ以上のポリユビキチン鎖を基質に伸長させるE4 (Ufd2)として、出芽酵母の人工基質の分解システムの解析から同定された。Ufd2のC末端に存在する約70アミノ酸配列(U-ボックスドメイン)を有するタンパク質は、酵母からヒトに至るまで、各々の生物種に複数存在することが判明し、我々はヒト及びマウスからU-ボックスドメインを含むタンパク質のcDNAをクローニングし、そのE3活性を証明した(U-ボックス型E3)。ほとんどのU-ボックスタンパク質は分子シャペロンとの関係が認められ、U-ボックス型E3はシャペロン依存型E3である可能性が高い。異常蛋白の蓄積は対応するために、正確な蛋白フォールディングを起こすためには分子シャペロンが、一方、異常タンパク質を分解する場合はU-ボックス型E3が関与している可能性を示した。 機能レベルでは、哺乳類のUfd2ホモログであるUFD2aが、ポリグルタミン病のひとつであるマシャド-ジョセフ病の原因遺伝子産物である、神経細胞内に蓄積されるMJD1タンパク質を認識し分解できることを見いだした。また、他のU-ボックス蛋白であるCHIPが、他の神経変性疾患であるパーキンソン病に関与していることを報告した。現在、遺伝子治療的応用に向けて、U-ボックス型E3の機能および細胞生物学的解析を遂行中である。
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