研究課題/領域番号 |
13557061
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平田 恭信 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70167609)
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研究分担者 |
佐田 政隆 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80345214)
鈴木 越 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40313134)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 新生内膜 / 動脈硬化 / 生体幹細胞 / 骨髄 / 血管平滑筋 / Lac Z |
研究概要 |
血管病病変を構成する細胞の起源について特に、血液中の骨髄由来前駆細胞が血管病変形成に関与するかどうかを(a)移植後動脈硬化モデル、(b)血管形成術モデル、(c)粥状動脈硬化病変、(d)異なる血管傷害モデル、(e)一個の造血幹細胞を用いた骨髄置換マウス、(f)Parabiosisモデルを用いて検討した。その結果、多くの血管狭窄病変に骨髄由来細胞の関与が認められた。ある臓器のリモデリングは局所実質細胞の増殖と細胞死によると従来考えられてきた。ところが、体内には骨髄をはじめとしていろいろな臓器に幹細胞が存在し、遠隔臓器の損傷を感知して、動員、分化、増殖して、修復に関与していることが明らかになりつつある。血管に関しても、免疫学的、機械的、液性(サイトカインや酸化脂質)傷害が血管に加わると骨髄などから未分化細胞が動員され、平滑筋ないし内皮細胞に分化しうると考えられる。そして、その修復反応が過剰になると病変形成にも関与すると考えられる。また血液中の前駆細胞が強度傷害後の血管の修復と病変形成に関わる現象が再確認された。前駆細胞としてはいろいろな細胞分画が混在している可能性が高いが、造血幹細胞からの形質転換分化現象は少ないようである。各種病態における前駆細胞の動態とその制御機構を現在研究している。以上より、骨髄などを起源とする血管前駆細胞が血管リモデリングに関与することが明らかとなり、現在、血管前駆細胞の性状、動員や分化の機序を解明し、その機能制御による血管病の新しい治療法を開発している。
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