研究課題/領域番号 |
13557066
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
横山 光宏 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40135794)
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研究分担者 |
平田 健一 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (20283880)
川嶋 成乃亮 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10177678)
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キーワード | 内皮細胞 / リポ蛋白 / ELISA / 動脈硬化 / HDL |
研究概要 |
1.ヒトEDLに対するモノクローナル抗体の作成とEDL蛋白量の測定法(ELISA)の開発 ヒトEDLの一次構造からEDLに特異的なアミノ酸配列を解析し、ペプチドをデザインし、合成ペプチドを4種類作成し、これらの合成ペプチドでヒトEDLに対する異なったエピトープを認識するモノクローナル抗体を作成する。このうち、感度が良く、特異性の高い2種類のモノクローナル抗体を用いてヒトEDL蛋白量の測定法(ELISA)の開発を行なった。 2.ヒトEDL蛋白量の測定 まず、新しく開発したELISAを用いて健常人においてその血液中の濃度を測定した。ELISAは感度よく血液中のEDLを測定でき、ELISAにおいては同じ抗体でサンドイッチ法で測定することが可能であった。また、Western Blotにおいて、denatureしない状態では本来の分子量の約2倍のところにbandを認めたことからEDLは血液中で少なくとも2量体を形成していると考えられた。EDLは分泌蛋白であり、ヘパリン結合部位を有しており、細胞表面に結合していると考えられたが、EDLはリポタンパクリパーゼ(LPL)や肝性リパーゼとは異なり、ヘパリンを静注する前後でEDLの血中濃度は変わらなかった。この結果から、EDLはヘパリン結合部位を介したheparan sulfateなどの細胞外マトリックスと結合する以外の機序で血管内皮細胞表面に結合していると考えられた。 現在、男女差や年令による影響などを解析し、日本人におけるEDLの正常値を決定し、そして、高HDL血症や低HDL血症をはじめとする高脂血症、心筋梗塞などの動脈硬化疾患の血清中の濃度を測定を行なっている。
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