研究課題/領域番号 |
13557068
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
下川 宏明 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (00235681)
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研究分担者 |
松田 武久 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60142189)
前田 瑞夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10165657)
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キーワード | ナノテクノロジー / バルーン傷害 / 再狭窄 / ナノカプセル / サイトカイン |
研究概要 |
1.ラット頸動脈において、バルーン傷害後の血管壁透過性の亢進は、傷害後、少なくとも1週間は持続すること、したがって、この持続する血管透過性の亢進がナノ治療の標的になりうることを示した。 2.アドリアマシンを内包し、血管の透過性が亢進した部位に集積する性質を有するNK911を、ラット頸動脈におけるバルーン傷害後に静注したところ、薬剤単独投与群に比し、4週間後に生じる再狭窄病変が著明に抑制されることを示した。この抑制効果は、単回の傷害モデルでも2回の傷害モデル(先行する動脈硬化病変を持つモデル)の場合も認められた。 3.血管壁中の薬剤濃度を調べたところ、薬剤単独投与群に比し、明らかに効率よく血管壁に薬剤が送達されていた。特に、バルーン傷害直後にその効率が最も大であった。 4.NK911の再狭窄予防効果の機序について検討したところ、血管平滑筋の増殖抑制が主要な機序であり、それには、サイトカインを中心とした種々の動脈硬化促進分子の発現が抑制されていることが一因していることを明らかにした。
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