研究課題/領域番号 |
13557075
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
鹿野 直人 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (80295435)
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研究分担者 |
川井 恵一 金沢大学, 医学部, 教授 (30204663)
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キーワード | L-type amino acid transporter / radiopharamaceutical / isoform selectivity / artificial amino acid / 4F2hc / neutral amino acid / functional imaging / system L |
研究概要 |
アミノ酸輸送システムLは、血液脳関門や胎盤関門に関与する種々の細胞や、多くの腫瘍細胞において分岐・芳香族アミノ酸を選択的かつナトリウム非依存的に輸送する。システムLに属するhuman L-type amino acid transporter 1(hLAT1)は、血液脳関門を構成する脳の毛細血管内皮細胞に、機能発現のための補助因子h4F2hcと共に存在することが示されている。更に、リンパ球の活性化、ホルモンによる刺激などにより高度に発現が誘導され、さらに腫瘍細胞においても高発現があることから、細胞の需要に応じてアミノ酸を取り込むようにその発現が調節される誘導型のアイソフォームであることが示唆されている。本研究で我々は、天然アミノ酸L-Tyrを分子デザインの母体構造に持つ2つの化合物3-[^<125>I]iodo-α-methyl-L-tyrosine(IMT)及び3-[^<125>I]iodo-L-tyrosine(3-I-Tyr)が腎等に発現するアイソフームであるhLAT2よりもhLAT1に高い選択性を有することをアフリカツメガエルにトランスポーターを発現させた実験系により明らかにした。IMTは、マウスの腎にprobenecid感受性の高い集積性があるが4-[^<125>I]iodo-L-meta-tyrosine(4-I-mTyr)はこのような集積性は示さなかった。またIMTは、システムLの他にAやB^<0+>等への親和性も指摘されている点でスペシフィックでない。今回のマウスによる検討で、4-I-mTyrがIMTと類似の体内分布を示したことから本化合物のアイソフォーム選択性について詳しく検討することが期待される。今後、特定のアイソフォームにスペシフィックな人工アミノ酸分子による画像診断薬の開発のために、構造-輸送機能相関について分子レベルの検討が期待される。
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