研究課題/領域番号 |
13557080
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 久丸 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90181130)
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研究分担者 |
高橋 宗春 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30313125)
小川 誠司 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60292900)
千葉 滋 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60212049)
細谷 紀子 日本学術振興会, 特別研究員 (00396748)
高橋 強志 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
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キーワード | 慢性骨髄性白血病 / 免疫細胞療法 / 樹状細胞 / bcr / bal / 抹消血樹状細胞 / 探求由来樹状細胞 / 共刺激分子 / HLA分子 |
研究概要 |
本研究では慢性骨髄性白血病(CML)に対し樹状細胞を用いた免疫細胞療法の開発を目的として研究を行った。b3a2型bcr/abl陽性でHLA-AO201或いはA2402型を持つCML患者末梢血より、bcr/abl特異的細胞障害性T細胞の樹立が可能であった。同条件をみたすCML患者3名において樹状細胞療法を行った。最初は患者末梢血樹状細胞を得てこれにbcr/ablペプチドを添加し患者に静注にて戻した。CML患者由来末梢血樹状細胞は健常人のそれに比し、接着分子、共刺激分子、HLA分子の発現に違いは認められなかった。しかしCML患者より得られた末梢血樹状細胞の数は少なく、投与量は1~5xlO4/kgであった。1名で2回目の輸注時に発熱が見られたが、その他問題となる副作用は見られなかった。また1名に遅延型過敏反応においてbcr/ablペプチドに対する免疫反応が認められ、同1名に臨床上、bcr/abl FISHの減少やPh染色体の割合の減少などの臨床効果が認められた。次に末梢血単球を分離し、これをIL-4とGM-CSFで培養して単球由来樹状細胞とし、bcr/ablペプチドを加えて皮内接種にて同3名のCML患者に投与した。投与量は1x106/kgと十分な樹状細胞数が得られた。3名の患者とも問題となる副作用は見られなかった。1名にbcr/ablペプチドに対する免疫反応が認められたが、臨床効果は認めなかった。次に免疫反応を増強させるために単球由来樹状細胞を、IL-4とGM-CSFに加えてTNF-αを用いて成熟させbcr/ablペプチドを加え、皮内接種にて同3名のCML患者に投与した。投与量は0.3~1x106/kgであった。前回と同様に問題となる副作用は見られなかった。また2名にbcr/ablペプチドに対する免疫反応が認められたが、臨床効果は認めなかった。
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