研究課題/領域番号 |
13557080
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 久丸 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90181130)
|
研究分担者 |
高橋 強志 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70332608)
小川 誠司 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60292900)
千葉 滋 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60212049)
細谷 紀子 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00396748)
|
キーワード | NKT細胞 / IFN-γ / IL-4 / IL-10 / Th1 / Th2バランス / α-galactosyl ceramide / CDld |
研究概要 |
マウスVα14NKT細胞においては、CD4-CD8-(DN),CD4+のサブセットが存在するのに対し、ヒトにおいてはこれに加えCD8+サブセットが存在することを見い出した。またこれらサブセット間では細胞の機能が異なることを明らかとした。サイトカイン産生においては、CD4+NKTが大量のIFN-γ,IL-4を産生するのに対しDN NKTは同等のIFN-γを産生するがIL-4産生はCD4+ NKTの半分以下であり、またCD8+NKTはやはり同等のIFN-γを産生するがIL-4産生はほとんど認められなかった。IL-10産生はCD4+NKTのみに認められた。従って、NKT細胞は数だけでなくそのサブセットの割合がTh1/Th2バランスや免疫調節など、生理的あるいは病的状態に影響を与えることが予想された。今後NKT細胞をサブセットレベルで臨床応用することにより自己免疫疾患、アレルギー治療を行える可能性がある。マウスVα14NKT細胞には抗腫瘍活性があることが知られているが、我々はヒトにおいてもin vitroにてある種の腫瘍細胞に対し抗腫瘍活性があることを見い出した。特にT細胞性腫瘍においては高率にCDld分子が発現しておりヒトNKT細胞はCDld依存性に抗腫瘍活性を示す。この活性はNKTの人工的リガンドとして知られている糖脂質、α-galactosyl ceramide (α-GalCer)を添加することにより更に高くなる。今後α-GalCerの直接投与、あるいはin vitroにてα-GalCerを用いてNKTを増幅し養子免疫療法として投与することによりT細胞性腫瘍を治療できる可能性があると予想された。ヒトVα24NKT細胞は、in vitroにて容易に大量増幅することが可能であり、自己免疫疾患、アレルギー、癌そして感染症に対し有効な細胞免疫療法となることが期待される。
|