研究課題/領域番号 |
13557086
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中村 彰治 山口大学, 医学部, 教授 (80112051)
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研究分担者 |
坂田 義行 山口大学, 医学部, 講師 (10034927)
奥山 茂 大正製薬(株), 医薬事業企画部, マネージャー
石田 佳幸 山口大学, 医学部, 助手 (20325210)
劉 穎 山口大学, 医学部, 助手 (40335724)
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キーワード | 学習 / 記憶 / ストレス / 胎生期 / 脳発達 / DNAチップ / 海馬 |
研究概要 |
私たちは、妊娠中に軽度のストレスをラット母体に負荷すると、記憶に重要な海馬を含む胎仔脳ニューロンにおいて形態的発達が促進されることを見出している。さらに、胎生期に軽度ストレスを負荷された胎仔脳の海馬を培養すると、培養下でも海馬ニューロンの分化・発達が促進されることを確認した。これらの結果に基づいて、私たちは、この動物モデルにおいて学習効果が有意に亢進することを明らかにした。本研究は、この動物モデルを用いて脳の発達と記憶・学習効果の促進に関与する遺伝子を、DNAチップを用いて同定することを目的とする。 研究1年目では、ラット胎仔の全脳をもちいてaffymetrix社のGeneChipによる遺伝子の解析を行った。今回は、受容体、イオンチャネル、トランスポータ、酵素、カイネース、フォスファターゼ、転写因子などに関連した遺伝子の約8800について検討した。そのために、ラット遺伝子のDNAチップのRat Genome U34Aを使用した。その結果、脳発達と記憶・学習を促進する動物モデルにおいて対照群と比較して発現が明瞭に増加あるいは減少している遺伝子を十数個同定することができた。現在、胎仔脳海馬だけを取り出し、海馬での遺伝子発現について検討する準備を進めている。海馬での発現遺伝子と全脳での遺伝子の発現を比較して、特に海馬で発現する遺伝子に注目して今後の解析を行う予定である。次年度では、上記の解析で絞り込んだ海馬遺伝子について、海馬培養細胞での形態発達及び生後の記憶・学習効果に対する関与について検討する。
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