研究課題/領域番号 |
13557087
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
飯利 太朗 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90313022)
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研究分担者 |
大西 洋英 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (00313023)
安田 宏 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80262129)
藤田 敏郎 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (10114125)
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キーワード | G蛋白質 / レセプター / 分子機構 / G蛋白質病 |
研究概要 |
1)レセプターによるG蛋白質の活性化を測定する簡便なアッセイ系の作製: 任意のG蛋白質共役レセプターとG蛋白質の連関の特異性を組織的にしかも簡便に解析することを可能にする系を確立した。 検討するレセプターをDEAE-アデノウイルス法によって培養細胞に過剰発現し、発現レセプターに精製G蛋白質(αおよびβγサブユニット)を再構成し、アゴニストあるいは作用薬物を加えた際のG蛋白質の活性化を、G蛋白質への標識GTPγSの結合あるいは標識GTPの水解活性で定量化した。βアドレナリンレセプターとGsを用いた検討で、約10倍のシグナル・ノイズ比をもつ活性化を観察た。これは、きわめて困難な精製レセプター/G蛋白質を用いた完全再構成実験での最良の結果にほぼ相当する。同様に、M2レセプター等でGiとの共役も観察した。 2)レセプターとG蛋白質の共役の特異性と作用薬物の解析: G蛋白質の活性化という直下のシグナルを指標に、レセプターに作用する薬物の解析・評価を開始した。本法による評価はレセプター結合能による評価と互いに補完しあう。レセプターの高次構造は、オンーオフの2種類だけではなく、複数存在し、各薬物は特定の高次構造の頻度を増す。本法を用いて任意のレセプターで、野生型レセプターを用いて、アゴニスト、アンタゴニスト活性を、また、活性型変異レセプターを用いてインバースアゴニスト活性を検討することが可能となる。まず、現在薬物の開発が進んでおり、臨床医学的視点から重要な、(1)アンジオテンシンIIレセプター(AT1-RおよびAT2-R)について検討した。AT2-RがGiと共役することを発見した。またARBの作用特異性を明らかにした。(2)βアドレナリンレセプターのタイプによるG蛋白質の共役の特異性を検討した。
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