研究課題/領域番号 |
13557094
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
溝井 賢幸 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90271949)
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研究分担者 |
片寄 友 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20302151)
石井 誠一 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (60221066)
大谷 明夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30133987)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 消化器癌 / CD44 / 血管新生 / 腫瘍増殖 / 転移 / リンパ節 |
研究概要 |
1 アンチセンスCD44(asCD)44遺伝子導入細胞の作製:asCD44を発現させるプラスミドベクターを大腸癌細胞株LS174Tに導入し、stable transfectantsを樹立した。空ベクターを導入した細胞もコントロールとして樹立した(NEO)。 2 浸潤・遊走能の解析:in vitroでの遊走能・浸潤能の解析では、有意な差は認められなかった。 3 血管新生因子やMMPとの関連の解析:VEGFなど血管新生因子やMMPの発現との関連を解析したが、asCD44株と親株との間に有意な差は認められなかった。 4 皮下腫瘍モデルでの解析:asCD44株およびNEOを免疫不全マウスの皮下に移植し、3日、7日、14日後に皮下腫瘍を摘出した。腫瘍体積はコントロールに比べ有意に小さかった。皮下腫瘍周囲の血管新生を検討したところ、AS1,AS2では有意に微小血管数が低かった。 5 同所移植モデルでの解析:asCD44株とmock株をマトリゲルに浮遊させ、免疫不全マウスの盲腸漿膜下に移植した。コントロールの細胞株では、高率にリンパ節への転移が認められたが、asCD44株では全く認められなかった。VEGF-R3の免疫染色によりリンパ管を染色した検討では、リンパ管密度には差がなかったが、asCD44株ではリンパ管侵襲率が有意に低かった。 6 リンパ節への接着性の解析:リンパ節の凍結切片上に、癌細胞がどの程度接着するかを、Stamper-Woodruff assayにて検討した。asCD44株は、親株と比べて、有意に接着する細胞数が低かった。また、リンパ節をヒアルロニダーゼで処理することにより、親株のリンパ節への接着は、有意に低下した。 以上より、CD44は、癌細胞のリンパ管内への侵入およびリンパ節転移に重要な役割をはたしており、その機能はCD44とヒアルロン酸との接着を介したものである可能性が示された。
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