研究分担者 |
西郷 健一 国立佐倉病院, 臨床研究部, 助手 (60323424)
坂本 薫 国立佐倉病院, 臨床研究部, 室長
山田 研一 国立佐倉病院, 臨床研究部, 部長
丸山 道広 国立佐倉病院, 臨床研究部, 研究員
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研究概要 |
1.ヒト膵島分離・凍結保存:本院には膵・膵島移植研究会ワーキンググループの事務局がおかれ、わが国における臨床膵島移植実施準備を進めてきた。その成果として全国で8例の膵島分離が行われた。うち当院で5例の膵島分離が施行されている。1例が移植に用いられ、他の4例は凍結保存された。以下に5例の分離結果を示す。ドナー:1例が脳死、4例が心停止、44.6±17.3才、温阻血時間:8.6±4.5分、膵島収量:186144±185042IEQ、純度:53±17%であった。すべて、一般細菌、真菌、抗酸菌の培養結果は陰性であった。Static incubationによる内分泌機能検査のStimulation Indexは4.18±3.15と良好であった。4例は13時間〜36時間無血清培地にて培養した後、Program freezerを用いて、凍結保存した。1例は新鮮膵島移植に用いた。 2.臨床膵島移植症例:本院では平成16年4月24日国内で2例目の臨床膵島移植を実施した。[ドナー]16才男性。頭部外傷による心停止後に膵臓を摘出。温阻血時間は5分、総阻血時間は222分であった。[膵島分離]膵重量は89g、組織学的検索にて、膵内外分泌組織、膵管系、血管系に異常を認めなかった。千葉東病院法にて膵島を分離。膵島収量は491,040IEQ、純度50%と良好であった。無血清培地にて16時間の培養を行った後の膵島数は364,653IEQ、純度75%と新鮮膵島移植基準を満たしたため、移植を実施した。[膵島移植]16才、女性。5才時より1型糖尿病にてインスリン使用している。局所麻酔下に門脈穿刺、カニュレーション、門脈造影にて位置確認の上、膵島移植施行した。移植後の免疫抑制法はEdmonton protocolに従い、Silorimus, Tacrolimus, Zenapaxを投与した。移植後の合併症は認めず、血中C-peptide値は0.4hg/ml(移植前0.05未満)でインスリンは使用しているものの血糖値は100〜300mg/dlで変動は有意に減少した。
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