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2002 年度 実績報告書

虚血肢に対する治療的血管新生を目的とした新しい遺伝子治療実用化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13557098
研究機関東京大学

研究代表者

宮田 哲郎  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70190791)

研究分担者 濱田 洋文  札幌医科大学, 医学部, 教授
小山 博之  東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (10241994)
重松 宏  東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40134556)
キーワードbFGF / VEGF / Therapeutic angiogenesis / Ephrine B2
研究概要

1.bFGFとVEGFの併用による血管新生効果の検討
ウサギ下肢慢性虚血モデルを用い、各宿主より採取培養した線維芽細胞に以下の遺伝子をアデノウイルスベクターにより導入した後、虚血側内腸骨動脈より動注し、28日後に評価した。実験群は以下の4群で、(bFGF群)bFGF遺伝子を導入した細胞5x10^6個+LacZ遺伝子を導入した細胞5x10^6個、(VEGF群)VEGF遺伝子を導入した細胞5x10^6個+LacZ遺伝子を導入した細胞5x10^6個、(併用群)bFGF遺伝子を導入した細胞5x10^6個+VEGF遺伝子を導入した細胞5x10^6個、(対照群)LacZ遺伝子を導入した細胞1x10^7個を、それぞれ用いた。施行した全ての評価法で、bFGF群、VEGF群、併用群は対照群より有意な改善を示した。そして下腿血圧比、内腸骨動脈血流量、毛細血管密度ではbFGF群とVEGF群の間には有意な差異が認められなかったのにも関わらず、血管造影によるangiographic scoreや側副血行路コンダクタンス、平滑筋細胞随伴血管の密度ではbFGF群はVEGF群より有意に良好な値が得られた。加えて、側副血行路コンダクタンスでは、併用群においてVEGFとbFGFの相乗効果が確認された。以上より、bFGFはVEGFと比べ、血管の成熟を示すarteriogenesisを促進する効果が強いことが示された。また、VEGFとbFGFの併用が大きな治療効果を誘導し得ることも示された。
2.Ephrine B2を用いた血管新生療法の開発
Ephrine B2のアデノウイルスベクターへの組み込みに時間を要したため、in vivoの実験はまだ始まったばかりである。しかし現在既に得られたデータである下腿血圧比や内腸骨動脈血流量においては、Ephrine B2使用群が対照群と比べ有意な改善を示すことは明らかになっている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ninomiya N, Koyama H, Miyata T, Shigematsu H et al.: "Exvivo gene transfer of basic fibroblast growth factor improves cardiac function"Gene Therapy. (In press). (2003)

  • [文献書誌] 宮田哲郎, 小山博之: "血管の再生医療"呼吸と循環. 50(4). 377-383 (2002)

  • [文献書誌] 宮田哲郎, 小山博之: "Adenovirus vectorを用いたbFGF遺伝子のex vivo導入による血管新生治療"脈管学. 42(6). 391-396 (2002)

  • [文献書誌] 小山博之, 宮田哲郎: "Ex vivo遺伝子導入法による新しい治療的血管新生療法の有効性と特性"脈管学. (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] 小山博之: "血管新生療法の現状と将来展望"Progress in Medicine. 22(12). 3070-3076 (2002)

  • [文献書誌] 小山博之, 重松宏: "血管外科における遺伝子治療の現状と将来展望"血管医学. 4(1). 73-79 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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