研究課題/領域番号 |
13557099
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐藤 好信 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (20313538)
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研究分担者 |
山本 智 新潟大学, 医学部・附属病院, 医員
市田 隆文 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (00126509)
渡辺 久実 琉球大学, 遺伝子実験センター, 教授 (50143756)
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キーワード | living related liver transplantation / Hepato cellular carcinoma / Immunochemotherapy / AFPmRNA / circulating cancer cell / Adjuvant Chemotherapy / Immunosuppresion / NKT細胞 |
研究概要 |
★研究の骨子 肝移植においては、肝癌細胞が末梢血中に存在していることと、免疫抑制剤の癌増殖促進作用が、グラフト肝や肺等への再発の大きな因子であることが論じられている。我々は術前免疫化学療法,または術後Sandwich chemotherapyにて術前術後血中癌細胞を除去すること、またはドナー血門脈内投与にて免疫抑制剤を早期に減量することを柱として検討している。 ☆これらの術前後の治療の判定には、末梢血中の癌細胞を確認する手段として、AFPmRNAとhuman TERTを施行してきた。これまで8例の肝癌症例の生体肝移植を経験した。1例は末期肝不全状態で感染症で失った。2例は単発で脈管浸潤もなく術前後の化学療法もせず再発していない。術前末血中癌細胞が陽性かMilan Criteriaを逸脱した症例は5例であった。これら全ての症例で脈管浸潤を認めた。このなかで免疫化学療法ができた症例は4例である。1例は術前状態悪く施行できなかった。免疫化学療法施行し2例で末血中癌細胞が陽性から陰性化し、生体肝移植を行い31M、5M再発していない。免疫化学療法施行するも陰性化しなかった症例および、施行できず陽性のまま移植した2症例は、術後2M、3Mでそれぞれ肝+肺、肺に再発し、10M、8Mで死亡した。個数が25個以上とMilan Criteriaを逸脱したが、血中癌細胞が陰性の症例も再発を認めていない。 ☆まだ症例は少ないが、Milan Criteriaを逸脱し術前末血中癌細胞が陽性であっても、術前免疫化学療法にて血中癌細胞が陰性化できれば、移植後再発のリスクを減少させることができ、これまで禁忌と言われていた症例への適応拡大の可能生が考えられる。症例を重ねさらに検討したい。 ☆これをサポートするものとしてのドナー血門脈内投与では、免疫抑制剤の早期減量が可能であった。 ★またドナーNKT細胞がalloの抗腫瘍効果を有している可能性もあり、検討中である。
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