研究課題/領域番号 |
13557102
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古川 博之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (70292026)
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研究分担者 |
嶋村 剛 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (00333617)
陳 孟鳳 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (40333603)
藤堂 省 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
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キーワード | 成人生体肝移植 / エンドセリン-1 / ヒアルリン酸 / Small-for-size graft / 門脈血流 / 門脈圧 / 類洞内皮機能 |
研究概要 |
背景:我々はグラフト100g当たりの門脈血流(grPVF)の増加がsmall-for-size graftで見られることを報告した。またイヌの大量肝切除モデル用いてgrPVFの増加は血漿エンドセリン-1(ET-1)と血清ヒアルロン酸(HA)を高めることを示した。更にグラフト100g当たりの動脈血流(grHAF)は術後peak ET-1に負の相関を示し術後peak ET-1は術前ET-1に正の相関を示すことを明らかにした。本研究ではsmall-for-size graftが肝血流と肝類洞内皮機能に与える影響を検討する。 対象と方法:対象は成人生体肝移棺症例27例である。男女年齢差はなく右葉20例(グラフト重量(g)対理想容量(ml)%;GV/SV ratio=49.9±2.2(mean±SE))左葉7例(GV/SV ratio=39.8±2.8)である。肝血流はグラフト側の血管に超音波トランジットタイム血流計を装着し測定した。肝類洞内皮機能の指標として血清HA値を術前、無肝期再灌流直前、再灌流術後3時間、6時間、12時間、24時間後、術後2、5、7、14、21、28、35日目に測定した。肝機能としてプロトンビン時間(PTs)と総ビリルビン値(T-Bil : mg/dl)を用いた。 結果:grHAF(25.3±3.6ml/min/100g liver)はGV/SV ratioに影響を受けなかっりたがgrPVFはGV/SV ratioに負の相関をしめした。血清HA値は再灌流術後3時間から35日目までGV/SV ratioに負の相関を示した。PTsはGV/SV ratioと何ら相関を示さなかったが術後peak T-Bil値はやはりGV/SV ratioに負の相関を示した。 結語:small-for-size graftでは門脈血の相対的増大が類洞内皮機能を障害し遷延する高ビリルビン血症を惹起していると考えられた。
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