研究課題/領域番号 |
13557109
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
末田 泰二郎 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10162835)
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研究分担者 |
藤本 吉範 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (30199377)
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キーワード | 脊髄誘発磁界 / 超伝導量子干渉素子 / SQUID / 脊髄誘発電位 / 磁気シールド |
研究概要 |
本研究は超伝導量子干渉素子磁束計(superconducting quantum interference device ; SQUID)による脊髄伝導路の解析を実現し、脊髄虚血障害の早期診断と治療に役立つデバイスの開発を目的としている。平成13年度は、当施設が従来保有しているSQUID磁束計を用いて脊髄誘発磁界の検出を試みたが、装置の感度や磁気シールドルームの問題により脊髄磁界測定を果たせなかった。 脊髄誘発磁界の検出、SQUIDによる脊髄虚血障害の評価 平成14年度は、前年に続くビーグル犬を用いた実験により、検出コイルの改良とシールドルームの磁気遮蔽特性の向上を進めたが、脊髄磁界測定は不安定のままであった。1チャンネルの現有装置では脊髄磁場の検出に限界ありと判断したので、本研究期間中にNTTドコモ横須賀研究所に新規に設置された世界最高性能の61チャンネルSQUID(米国トリスタン社製)を本研究目的に使用させて頂いた。本装置を用いて、まず、藤本らはヒトの正中、尺骨神経の伝搬性磁図の作成に成功した。次に、検査システムソフトウェアに改良を加え、脊髄に関する研究に着手した。経頭蓋運動野刺激により脊髄の下行性伝搬を、坐骨神経刺激により上行性伝搬を発生させ誘発磁界を測定したところ、後者において腰髄レベルで磁図を作成することに成功した。動画解析では磁界の伝搬信号(4重極子)が坐骨神経から腰髄に乗り換える状況が再現された。現在、SQUIDによる脊髄虚血の評価に向け、鉗子や動脈塞栓除去用カテーテルを用いた肋間動脈の遮断により脊髄虚血モデルを作成している。虚血モデルの妥当性は昨年度購入したNicolet社製Viking Vを用いて電気生理学的に判定している。近日、この虚血モデルにSQUIDを応用して、脊髄の虚血性障害を評価する予定である。
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