研究課題/領域番号 |
13557118
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
堂浦 克美 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (00263012)
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研究分担者 |
村田 充男 大正製薬, 創薬研究所, 主任研究員
岩城 徹 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40221098)
松島 俊夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (40165816)
鈴木 伸之 第一製薬, 創薬第2研究所, 研究員
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キーワード | プリオン病 / 予防治療薬 / プリオン産生阻害 / スクリーニング / 持続感染培養細胞 / 動物実験 / 脳内感染 / 脳室内持続注入 |
研究概要 |
プリオン持続感染培養細胞を用いた薬剤スクリーニングにおいて有効性を認めたシステインプロテアーゼ阻害剤(E-64d)、ライソゾーム阻害薬剤(キナクリンなど)、グリコースアミノグリカン結合薬剤(reactive dye)、泌尿器系薬剤(SPS)について、263K株プリオンを脳内感染させた遺伝子改変マクスTG7マウスにおいてプリオン病予防治療薬剤としての有効性を検討した。具体的には脳内感染後1.5週目(発症前)あるいは脳内感染後5週目(発症後)にAlzet持続注入器具を用いて脳室内に薬剤を4週間持続投与し、発症までの潜伏期間を観察して発症遅延効果を検討した。なお、発症脳の評価は神経病理学的解析と感染型プリオン蛋白の検出により行った。この実験により、E-64d、キナクリン、クロロキン、reactive dyeに潜伏期間(感染から死亡までの期間)の10%以上にあたる期間の延命効果があることが脳内感染後1.5週目からの投与で判明した。これらの効果はE-64d、キナクリン、クロロキンでは脳内感染後5週目からの投与でもほぼ同様であった。一方、SPSは著明な延命効果を示し脳内感染後1.5週目からの投与では潜伏期間の180%にあたる期間の延命効果、脳内感染5週目からの投与でも100%にあたる期間の延命効果があることを発見した。 以上の動物実験に並行して、新たなプリオン病予防治療薬候補の探索をプリオン持続感染培養細胞を用いて行った。その結果、新たにキニーネ関連薬剤1種とコンゴーレッド関連薬剤1種に極めて強力なプリオン産生阻害活性があることが判明した。そこで、それらの誘導体を可能な限り市販化合物から入手して、プリオン持続感染培養細胞を用いてスクリーニングを行った。その結果、さらに各々6種、1種の有効化合物を発見した。 SRSや上記の新規に発見した化合物についてはプリオン病予防治療薬として特許を出願した。
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