研究課題/領域番号 |
13557118
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東北大学 (2003) 九州大学 (2001-2002) |
研究代表者 |
堂浦 克美 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00263012)
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研究分担者 |
岩城 徹 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40221098)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | プリオン病 / 予防治療薬 / プリオン産生阻害 / 薬剤スクリーニング / 持続感染培養細胞 / 動物実験 / ペントサン ポリサルフェート / 脳室内投与 |
研究概要 |
医原性クロィツフェルト・ヤコブ病(CJD)や遺伝性プリオン病が多発する本邦において、プリオン病予防・治療法の開発が求められている。本研究では予防・治療法開発に関する基礎〜臨床応用研究を実施し,以下の点を明らかにした。 1.プリオン持続感染細胞を用いたスクリーニングにより、多数の抗プリオン化合物を発見した。複数の臨床薬剤を含むキノリン環含有化合物では20種近い有効化合物が見つかった。80種を超える有効化合物が見つかったベンゾチアゾール環含有関連化合物やコンゴーレッド関連化合物では、末梢投与にて疾患動物の生命予後改善に効果があるばかりでなく、脳内の異常プリオン蛋白凝集体と結合し核医学的イメージング・プローブとしても応用可能であった。硫酸化多糖ではペントサンポリサルフェート(SPS)やヘパリンの修飾体に著明な効果が見られた。特にSPSは、疾患動物の脳室内に投与すると驚異的な生命予後改善効果があった。一方、分子間相互作用解析より、抗プリオン化合物の大半がプリオン蛋白に直接作用し、異常型への変換を阻害していることを明らかにした。相互作用の強さと抗プリオン活性が相関しており、分子間相互作用を用いてハイスループット・スクリーニングできることを示した。さらに、抗プリオン活性が感染因子株や感染細胞の種類によって大きく影響を受けることを明らかにした。 2.動物実験にて驚異的な予防・治療効果を発揮したSPSについて、脳室内持続投与の安全性を動物で確認した後に、英国のプリオン病患者1名で実験的治療を実施した。進行期の患者であったにもかかわらず、予想を凌ぐ治療効果が認められ、副作用の出現がなく、患者での優れた効果と安全性を確認した。この結果と疾患モデル動物実験での結果を考え合わせると、本治療法がハイリスク患者の発症予防に即応用できることを示している。
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