研究課題/領域番号 |
13557121
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
今堀 良夫 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (80191899)
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研究分担者 |
辻野 仁 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00347452)
笹島 浩泰 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80196188)
峯浦 一喜 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70134103)
小野 公二 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407)
高橋 義信 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90347451)
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キーワード | 脳腫瘍 / mRNA / positron emission tomography / アンチセンス / オリゴヌクレオチド / GFAP / C-11標識ethylketene法 / in situ hybridization |
研究概要 |
脳腫瘍の増殖には血管新生が重要な役割を果たしている。腫瘍の増殖とともに血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor, VEGF)やその受容体などのmessenger RNA (mRNA)の発現により血管新生が亢進し増殖が加速される。腫瘍がこのように増殖する際に、どの時期にどの領域で血管新生が行われるかを生体で解明することは脳腫瘍治療を試みる上でも重要であり、これらの因子のmRNA発現を生体で解明することが重要な課題である。そこで本研究ではmRNA発現のポジトロンCTを用いる生体画像化法 (in vivo hybridization)を検討し、トレーサとなるポジトロン標識アンチセンスの合成を試みた。ラットを用いた実験ではGFAP (glial fibrillary acidic protein)やtelomeraseのmRNAにたいする塩基配列特異的な生体画像化が可能になった。さらに上述した治療にも結びつくVEGFのポジトロン標識アンチセンスプローブをin situ hybridization法で検討した。本研究の成果はC-11標識ethylketene法によるポジトロン標識法によりアンチセンス・オリゴヌクレオチドの合成が可能になったこと、そして動物実験で生体におけるmRNAとの特異結合、すなわち生体でのこれらの遺伝子発現の画像化が可能であることを示した。本研究により開発された方法を用いると標識法は簡便かつ安全なために臨床応用が可能となる。本法は悪性腫瘍の治療においても有用な方法論になり得ると考えられる。生体におけるこれらの悪性腫瘍の血管新生を分子レベルからマクロレベルまでダイナミックに解析できれば,今後のがん治療における戦略上も重要な役割を担うものと考えられる。
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