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2003 年度 実績報告書

ヒト間葉系幹細胞(MSC)を応用した骨・軟骨再生医療への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 13557124
研究機関東京大学

研究代表者

井ノ上 逸朗  東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員(常勤形態) (00192500)

研究分担者 小宮 節郎  鹿児島大学, 医学部, 教授 (30178371)
中島 敏晶  東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員(常勤形態) (50307956)
キーワード間葉系幹細胞 / マイクロアレイ / 遺伝子発現 / 骨芽細胞 / RNAi
研究概要

後縦靭帯骨化症(OPLL)は進行性靭帯異所性骨化を特徴とする多因子疾患であり、神経圧迫によりさまざまな程度の神経症状をきたす。われわれはゲノム全域連鎖解析から感受性遺伝子同定をおこない、collagen 6A1の関与を見出している。感受性遺伝子の同定のみでは異所性骨化の成因解明は困難であったので、骨化傾向を有するOPLL患者靱帯細胞を骨芽細胞への分化させた際に発現上昇する遺伝子の同定より、OPLLの骨化制御機構の解明を目指した。我々は、骨芽細胞への分化能を有するヒト間葉系幹細胞(human Mesenchymal Stem Cell ; hMSC)、OPLL患者および対照として頚椎症性脊髄症患者から得られた靱帯細胞において骨芽細胞系への分化に伴う遺伝子発現の変化を網羅的にマイクロアレイ解析で検討した。マイクロアレイ解析の結果多くの遺伝子発現変化が観察された。その中ですべての系において共通して発現上昇が見られ、OPLL患者により発現上昇が確認されたPLZFに注目した。さらに、その発現レベルの経時的パターンを調べた。分化誘導前は発現まったく確認されず、分化誘導後に発現が速やかに上昇した。転写因子であるPLZFは骨芽細胞分化に重要な役割を果たすことが期待されたので、この遺伝子発現を抑える目的で21塩基の二本鎖RNA(siRNA)を2ヶ所で設計しリポフェクトアミンでhMSCへ取り込ませた。その結果効率よく遺伝子発現抑制が、RT-PCRで確認でき同時にalkaline phosphataseの上昇をマーカーとした骨芽細胞への分化は抑制された。次にC2C12細胞で強制発現させたところ、骨芽細胞への分化促進が確認された。これらの結果から、PLZFが骨芽細胞分化に重要な因子であるのみでなく、OPLLの治療につながる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yoshida, K: "Regulation of Geminin and Cdt1 expression by E2F transcription factors."Oncogene. (in press).

  • [文献書誌] Uno, Y: "Characterization of six base pair deletion in the putative HNF1-binding site of human PXR promoter."J Hum Genet. 48. 594-597 (2003)

  • [文献書誌] Tanaka, T: "Genomewide linkage and linkage disequilibrium analyses identify COL6A1, on chromosome 21, as the locus for ossification of the posterior longitudinal ligament of the spine."Am J Hum Genet. 73. 812-822 (2003)

  • [文献書誌] Tachikui, H: "Lineage specific homogenization of the polyubiquitin gene among human and great apes."J Mol Evol. 57. 737-744 (2003)

  • [文献書誌] Kawaguchi, Y: "Association Between Polymorphism of the transforming growth factor-beta1 gene with the radiologic characteristic and ossification of the posterior longitudinal ligament."Spine. 28. 1424-1426 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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