研究概要 |
第一に、COX-1及びOCX-2の選択的阻害薬の効果を炎症性疼痛モデルであるラットフォルマリンモデルを用いて検討することから始めた。COX-1 selective inhibitorとしてSC560を、COX-2 selective inhibitorとしてcelecoxibを、non-selective COX-1 and COX-2 inhibitorとしてindomethacinを用いた。これらの薬剤を、経口投与もしくは髄腔内投与しその効果を検討した。SC560は、経口投与でもまた髄腔内投与でも鎮痛効果を示すことはなかった。しかしながら、celecoxib及びindomethacin経口投与により、フォルマリンテストにおける疼痛行動のうち第1相に対しては効果がなかったが、第2相に対しては投与量依存性に鎮痛効果を示した。また、celecoxib及びindomethacin髄腔内投与ではフォルマリンテストの第1相・第2相に対して鎮痛効果を示した。このことから、フォルマリンテストにおける疼痛はCOX-2依存性のプロスタグランジンが関与した疼痛であることが示唆された。この結果より、SC560,celecoxib,indomethacinを用いてCOX-1及びCOX-2の役割を検討することが可能であることがわかった。 現在は、骨転移モデルをマウスに作成することを行っているところであり、今後骨転移モデルを用いて、COX-1選択的阻害薬やCOX-2選択的阻害薬の効果を検討していく予定である。
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