研究分担者 |
高山 達也 浜松医科大学, 医学部, 助手 (90324350)
大田原 佳久 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80124717)
牛山 知己 浜松医科大学, 医学部, 講師 (50176658)
内久保 明伸 オリンパス光学工業(株), 外科事業推進部, 主任(研究職)
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研究概要 |
1.ロボット内視鏡下手術装置の開発:オリンパス光学工業社製視野移動式腹腔鏡システム(ImageTrac System)を購入し,種々の泌尿器科内視鏡下手術を施行した.内視鏡下手術用鉗子に装着したコントローラーを用いて術者がカメラコントロールを行った。視野移動操作の安全性、確実性は実証されたが、今後の改良点として装置の軽量化、光学視管の細径化、1-CCDから3-CCDカメラへの変更などが指摘された。 2.画像転送装置の小型化・高速化:遠隔手術用情報伝達装置の小型化,軽量化を実現した.光ファイバー回線に対応可能な通信ソフトを用いて遠隔手術用コンピューター装置,ソフトを開発した. 3.豚を用いた基礎的検討:本学泌尿器科医局に遠隔操作ユニットを、本学動物実験センターに視野移動式腹腔鏡システムを設置し、これらを光ファイバーで接続した。動物実験センターにて豚を用いた内視鏡下手術を施行し、泌尿器科医局からの遠隔操作による内視鏡視野の移動、音声および手術用テレビモニター上の矢印による遠隔地手術指導を行った。内視鏡画像、音声、モニターレイアウト表示はリアルタイムに鮮明、的確に伝送され、遠隔内視鏡下手術の安全性が確認された。 4.上記の結果を踏まえて、臨床応用を行った。手術は患者から文書によるインフォームドコンセントを得た後施行した。安全性を期するため、同一手術室内に遠隔操作ユニットおよび視野移動システムを設置し,これらを光ファイバーで接続し、遠隔手術(腹腔鏡下前立腺全摘除術)を施行した。テレロボティックカメラコントロールは的確に作動し、内視鏡画像および遠隔地からの手術指導は鮮明に伝送された。遠隔操作による視野移動、手術指導の有用性が確認された。今後、全国を網羅する光ファイバーネットワークを利用するために必要な信号伝送方式の変更などを計画している。 5.以上の研究成果を国内外で発表した。
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