研究課題/領域番号 |
13557134
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
那須 保友 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (20237572)
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研究分担者 |
新 良治 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (00314675)
津島 知靖 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20135990)
公文 裕巳 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30144760)
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キーワード | 遺伝子治療 / 固形癌 / 前立腺癌 |
研究概要 |
試作されたベクター注入装置について、以下の実験、検討を実施した。 1)遊離筋肉組織と色素を用いた注入実験。 遊離筋肉組織として肉片(豚肉)を用い色素としてはインジゴカルミンを用いて注入装置を駆動させ色素の広がりを指標として注入速度、注入量の条件設定を行った。毎秒0.1mlの注入とフットスイッチを用いた操作が重要であることが判明した。 2)注入装置の改良。 上記研究を通じて注入装置の問題点を検証し改良の必要な点を明らかにした。特に安全性確保への配慮をから注入装置以外の装備(穿刺針、注入用シリンジ、注入用回路)の動作確認もあわせて行い同様に改良点を明らかにした。その結果冷却回路の密閉性の確保、注入量を0.1ml毎の可変設定が可能となるような仕様とすること、フットスイッチを装着することを主な改良点として第1号試作機に対する改良を実施した。(根本杏林堂に製作を発注し備品として購入。) 3)改良装置の動作確認 改良された装置を用いて動作確認を行い、ヒトでの遺伝子治療における使用への最終動作確認とした。 4)ヒト遺伝子治療における装置の使用 ヒトでの遺伝子治療に用いその動作確認を行い、操作性、安全性等の検討を行った。その結果本装置は当初の仕様通りに作動し、安全かつ適格にアデノウイルスベクターを前立腺内における病変に注入することが出来た。なお、本遺伝子治療については科学的・倫理的妥当性につき審査をうけ、既に国からの実施承認を取得している。本プロトコールは遺伝子治療臨床研究に関する国からのガイドラインに準拠して実施される。特にインフォームドコンセントの実施等、被験者の人権に対する十分な配慮がなされたうえで実施された。
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