昨年度の成果をもとに引き続き以下の研究を行い予定の実績を上げた。 1)改良装置の動作確認 改良された装置を用いて昨年に引き続き動作確認を行い、ヒトでの遺伝子治療における使用への最終動作確認とした。 2)ヒト遺伝子治療における装置の使用 ヒトでの遺伝子治療に用いその動作確認を行い、操作性、安全性等の検討を行った。その結果本装置は当初の仕様通りに作動し、従来の手動注入より安全かつ適格にアデノウイルスベクターを前立腺内における病変に注入することが可能となったことを確認した。特に以下の点は特記すべき研究成果と考えられた。 1)フットスイッチを用いた注入は術者が超音波モニター画面に集中することを可能とし、より正確かつ安全な注入を確保することとなった。 2)一回の注入時間1秒につき0.1mlのベクター液を注入する条件設定が本装置を用いた場合の至適注入条件と思われた。 なお、本遺伝子治療については科学的・倫理的妥当性につき審査をうけ、既に国からの実施承認を取得している。本プロトコールは遺伝子治療臨床研究に関する国からのガイドラインに準拠して実施される。特にインフォームドコンセントの実施等、被験者の人権に対する十分な配慮がなされたうえで実施された。
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