テロメレース分子標的とした婦人科癌の遺伝子治療としたテロメレースの構成成分であるhuman telomerase RNA(hTR)をターゲットとしてこれに対するantisense DNAを合成し、その5'端に2-5Adenylate(以下2-5A)を付加したキメラ合成DNAによる癌の遺伝子治療の基礎実験を試みた。2-5AはRNAse Lのactivatorであり、antisense sequenceによって会合したtarget RNAをRNAse Lの活性化により分解することが期待される。 子宮頚癌細胞であるME180 cellに2-5A anti-hTRをlipofectinにより導入し、hTRの発現を観察したところ、hTRは25-48時間で効率的に分解された。さらにテロメレース活性もそれに引き続いて低下し、細胞増殖も抑制された。細胞増殖抑制の原因としてflow cytometryの解析によりアポトーシスが誘導されていることが判明した。現在アポトーシス誘導機構の解析を行うとともに、動物実験でのin vivoの効果についても検討中である。
|