研究概要 |
口腔扁平上皮癌におけるMDR1の遺伝子発現、P糖蛋白質産生の検討 多剤耐性能獲得細胞であるNA細胞は,他の培養癌細胞と比較して強いMDR1遺伝子の発現と,細胞膜上のP糖蛋白質の局在が観察され,MDR1遺伝子発現によるP糖蛋白質の産生と薬剤耐性の獲得の関連が示唆された. 薬剤耐性獲得細胞における転写因子Sp1およびAP-1の活性化 強い多剤耐性能を獲得しているNA細胞における転写因子Sp1およびHIF-1の活性化をバンドシフトアッセイにより検討したところ,NA細胞においてはHIF-1の恒常的活性化がみられ,多剤耐性能とHIF-1の活性化の関連が示唆された. HIF-1decoyによる多剤耐性克服の検討 HVJ-リポソーム法によりHIF-1DecoyオリゴをNA細胞に導入すると,100%の細胞に導入可能であった.HIF-1Decoyオリゴ導入により,NA細胞における抗癌剤のLD50は低濃度となったが,その効果は多様で,今後再現性を確認していく予定である.
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