研究分担者 |
苔口 進 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10144776)
小西 法文 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60243466)
村山 洋二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50029972)
児玉 孝雄 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (30034200)
井上 哲圭 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20223258)
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研究概要 |
口腔連鎖球菌グルカン合成酵素の立体構造解析に先立ち,本年度はまずその発現系を再検討した。申請者らは,すでにStreptococcu sobrinus 6715株の不溶性グルカン合成酵素(GTF-I)のN末端部およびC末端部を一部欠損するタンパク質(GTF-I^1)をコードするDNA断片をクローニングし,大腸菌での発現系を構築していた。しかし,C末端部はデキストラン結合に関与する部分であり,その部分の欠損は酵素活性に何らかの影響を及ぼすものと推察される。そこでまず,C末端欠損のないタンパク質(GS-6R)の発現系を遺伝子操作により構築した。このGS-6Rの発現系では,大腸菌でIPTG誘導による大量発現が可能である。精製は,菌体の超音波破砕,硫安分画,イオン交換クロマトグラフィー,ゲル濾過により行い,SDS-ポリアクリルアミド電気泳動で単一バンドを示すGS-6R標品を20-25mg精製することができた。GS-6Rについて酵素反応キネティックを検討したところ,GTF-I^1と比べてグルコシル転移活性およびデキストランに対する親和性がともにより高い結果を示した。光散乱法で検討したところ,GS-6Rの方がGTF-I^1に比べてグルカン合成活性も高かった。GS-6Rの予備的な結晶化実験では,微少ながらも結晶の成長を観察した。現在,GS-6RのX線結晶解析のために,より質のよい結晶の作製を目指して,引き続き結晶化の条件を検討しているところである。
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